あっという間に秋が深まり、カレンダーは残りの一枚となりました。
個人的にはこの一年、半分は昨年までの仕事の残務整理、もう半分は不安定な体調に悩まされ、気づいたら落ち葉の季節がやって来ていました。なんてこと!と気持ちが焦り、とにかく、今年の木の葉たちが燃え尽きる前に、会いに行かなくちゃ!
山ノボラーにも悲しい白内障
しかし実は、数年前から、目が見えづらくなっていて、症状悪化とともにコンタクトレンズの違和感も感じるようになり、メガネでお店番することが多くなっていました。でも(特に昨年は)忙し過ぎて、ちゃんと病院に行けませんでした。それでこの程、やっと調べてもらったところ、その原因は白内障なのでした。
思えば、最近の山歩きでは、日差しを感じると右目は白いモヤがかかったみたいになり、遠くの景色も足元の道も石ころも見えづらく、サングラスをしたりメガネに替えたり四苦八苦していました。
病院の先生には、手術は簡単です。登山が趣味なら早めにした方がいいよ。見えないのは危険だし、それに何よりせっかくのきれいな景色、早くクリアに見たいでしょ!と言われました。むむむっ、それはとても大事なことだ!というわけで、ついに、間もなく手術をすることになりました。
ただ、術後しばらくは、温泉もプールも、汗をかく運動も、そしてお化粧も、できないらしい。
なんと💧。ならば11月のうちに、彩りをまとう山の木々に会いに行かねば!
秋川渓谷はどうかな
ではどこ行こう?
なんやかんやと気持ちがソワソワして、しかも手術と聞いて腰を抜かす小心者のヘッポコ相棒は「ええ~登山道は危険だ!じゃあ山じゃないところ、近場がいいよ」と相成り、思いめぐらせてみたところ、では東京の奥の方?これまで地名は知っていても訪ねたことのない場所「秋川渓谷」に行ってみよう!となりました。
ネット検索をすると、素敵な画像とともに、ハイキングコースの詳細もバッチリ!ふむふむ、登山ではないけど、12キロのお散歩ハイキング、いいかもです。
親切で詳細なサイトがありました。※あきる野市のサイト➨https://www.city.akiruno.tokyo.jp/kanko/0000016048.html
というわけで、ベストシーズンの11/22の土曜日に、ヘッポコ揃ってお出かけしました。
※歩いたコースは、「武蔵五日市駅」から秋川沿いを左周りにトコトコ歩き、コース終点から折り返して絶景の「石舟橋」までの12キロです。山ではありません。ほとんど舗装路で、ハイカーさんも少なくて、静かな山あいの道をのんびり歩く紅葉ハイク。素朴な景色に癒される秋の一日となりました。
武蔵五日市駅から秋川を歩く
まず、都心からもほど近い(新宿から約1時間)武蔵五日市駅に到着。ここがハイキングスタート地点。駅にマップがありましたので、ちゃんと頂いて、秋晴れの中を、今回もハリキッテ、Let’s go!!
さて、あれ?ハイカーさんが見当たらない。駅前のバス乗り場は長蛇の列でしたので、どうやら皆さん、絶景ポイントである「石舟橋」にダイレクトに行かれるようです。私たちにとって、そこはGoal地点でありますから💦まずは、秋川を堪能しつつ、のんびり行くことにいたします。
11/22の彩りはこんな感じ。とにかく日差しが眩しくて、木々たちも光のベールをまとっているみたいでした。川岸をテクテク。
雲一つない秋の空に、木々や草の色合いが映えます。おっ、あの橋はなんだ?
あゆみ橋というそうです。ここを渡ったら、川沿いの小道を歩きます。
静かでのんびりとした景色に、早くも川岸で昼寝でもしたくなりますが、ハイキングはこれから!
こんな登山ウェアでなくても、ジーンズにスニーカーで良かったなぁ~と歩き始めてわかりましたが、それよりも日差しが眩し過ぎて、サングラスをしても防ぎきれず、目は日影を探し求めるほどでした。
これから赤くなるのだろうか、それとも落葉に向かうのだろうか、いずれにしても、一年間よく茂ってくれました。葉っぱの時間を想うと、しみじみとします。あれは「小和田橋」、渡ればもうすぐ、最初の景勝地「広徳寺」です。
「広徳寺」の大銀杏
西暦1373年に創立されたという広徳寺。古い歴史を刻む静かなお寺です。山門をくぐると、二本の大銀杏が見事に色づき、地面に美しい絨毯を敷き詰めていました。圧巻❣
銀杏は紅葉シーズンの最後を締めくくると言われています。青空に映える金色の葉っぱたちが、それはそれは美しく、煌いていました。
お寺の建物の裏側に回ると紅葉の森がありました。今シーズン初めて会えた赤い紅葉が目に沁みる。
「岩瀬峡」川沿いの紅葉並木
広徳寺を後にして川沿いの道に戻ります。ここからは「岩瀬峡」と言われる場所を歩きます。この辺りは、川がまっすぐ流れているので眺めが良くて、両側の木々の彩りが映えます。
このメガネ、ハイキング用のメガネです。度付きです。落としても割れない素材で汗にも強い。しかも上からサングラスを被せてセットアップできます。そういえば、白内障の手術をすると度数が変わるらしいので、全てのメガネは作り直しになりそうです(-_-;)。どのくらい見えるようになるのかな~とドキドキです。
ともかく岩瀬峡、川の水は清らかで冷たくて、清々しい場所でした。
「戸倉しろやまテラス」の大モミジ
「戸倉しろやまハウス」は、閉校した小学校を再利用した観光施設です。お食事ができて宿泊もできるようです。が、この日は団体予約があるとのことで、校内はもちろんレストランも入れませんでした。ランチを期待していたので、残念!
でも校舎の裏手に大モミジがあるとのことで行ってみました!
太陽に近い、てっぺんの方から茶色くなり始めていましたが、手が届く場所の葉っぱは、日差しを透かして美しく輝いていました。
本当にデカい!大モミジ🍁
「戸倉しろやまハウス」を後にして、瀬音の湯を目指して歩きます。川沿いは木漏れ日の道であり、木々の間から覗く渓谷の景色が爽快な道でした。舗装路でありますが車の通行も滅多になくて、歩きやすいです。
晩秋の日差しが川面を照らし光り輝いていました。
秋川渓谷「瀬音の湯」
秋川渓谷といえば「瀬音の湯」。物産販売所や、色んな屋台もあって、とってもたくさんの人で賑わっていました。ここからは景勝地「石舟橋」まで徒歩5分ぐらいなので、多くの人はバスや車で来て、ここでのんびりお湯につかり紅葉を楽しまれるのかもしれません。
無料の足湯は大賑わい!
瀬音の湯の裏手の山道は、奥多摩の「大岳山」へと続く道のようです。大岳山といえば、4年前の紅葉登山では鋸山~大岳山~御岳山と歩きました。きっと今頃山頂は大賑わいかな~と想像しつつ、少しだけ山道を歩いてみたら…素晴らしい紅葉でした🍁🍁🍁
アスファルトの舗装路を歩いてきましたので、こんな土の道が嬉しいです。やっぱり、山道はこうでなくちゃ!
ここの紅葉がこの日一番の美しさであったと思います。私の霞んだ目にも、赤く赤く燃える色がジンワリと暖かく染み入ってきてくれました。
「西青木平橋」の静寂
瀬音の湯からは、ますます山深いエリアへと進みます。ハイカーさんは、もう殆ど誰もいませんでした。静かな山間の町をぶらぶら歩き、道に迷って畑仕事をしている方にお尋ねすると、とても親切に教えて下さいました(ちなみに、道標があまり親切ではなくて、何度も余計な道を歩いて戻りを繰り返してしまいました。道中色んな人に道を尋ねること数回💦)
そしてついに、このハイキングコースの一番奥地「西青木平橋」に到着。
スタート時間が遅くて、ここですでに午後3時ぐらいになってしまいました。太陽が山に隠れてしまうと、途端に色彩がかすみます。というか、もしや、落葉が始まっていたのかもしれません。
パンフレットの画像では、岸壁の紅葉が水面にも映るほどの景色だったのですが…。でも、渓谷奥地の静寂な空気が心地よい場所でした。
ビューポイント「石舟橋」
西青木平橋からUターンをして、秋川渓谷といえばの紅葉の名所「石舟橋」へと辿り着きました。おぉ~なるほど!大勢の人が楽しんでおられて、大絶景でありました🍁
そして、ようやく自撮りチャレンジ!で、なぜか失敗。ヘッポコとタイミング合わず💦ですが、バックの紅葉の色彩がやわらかく映って、とても美しいです。
気を取り直して、絶景ロケーションを探して、景色を撮る!に集中してみました。すると、なんと、なんだか古都を思わせるような情緒豊かな秋景色が納まりました🍁🍁🍁
あの橋を渡ろう!
橋を渡るとその先は「瀬音の湯」です。ランチをしそびれたままだったので、瀬音の湯の屋台で買い食いをして、ハイキングの締めくくりといたしました。
帰りはここからバスに乗って武蔵五日市へと戻りました。が!バスは大行列、道路は大渋滞でありました。この日、多くの人が紅葉を愛でていらしたのかと思うと、なんだかほっこりと嬉しくなりました。
静かな秋の日に
今年の晩秋ハイクは登山とはまいりませんでしたが、それでも里山の清々しい空気と温もりを感じることができ、よき日でありました。押し車のおばあちゃまが、まるで女学生さんのように笑って「バイバイ」と手を振ってくれました。ありがとうございます。
幸せの秘訣、それは、“少女のよう”にいつまでも朗らかでいることかな、と、しみじみと思いました。
道中、冬桜にも会いました。今年はあまりにも暑い夏でありましたので、草木の彩りが心配されました。例年よりも少し控え目な色彩であったかもしれませんが、草木は季節を忘れることなく、今年最後の命を燃やしておりました。
自撮り棒撮影、やり直し!この年末年始はどこにも行くことができませんが、でもきっとまた、新しい目で、新しい年の景色を愛でて行かれれば良いなと思います。
新しい景色…ちょっとワクワク、楽しみです💓