初冬の丹沢「塔ノ岳」~「鍋割山」で肝試し💦

紅葉の山

 随分と寒くなりました。
 あっという間に紅葉の季節を過ぎて冬本番です!

 思えば、11月はなんやかんやで忙しく紅葉を楽しむ余裕がありませんでした。
 幾度と計画した山歩きも、おじゃん!のままでしたので、先週末日帰り登山に行ってまいりました。 

 丹沢「塔ノ岳」山頂から眺める富士山です。
 この雄大な景色は、日頃の色んなこと等、どーでもよくなるほど、コロッと忘れさせてくれます。

 今回は、丹沢。新宿から1時間で行けるという魅力的な場所です。今回私たちは、小田急線「渋沢」駅からバスで「大倉」へ。大倉~バカ尾根を登って~「塔ノ岳」山頂~稜線を歩いて~「鍋割山」山頂~後沢乗越~二俣~林道を歩いて~大倉のルートを歩きました。標準タイム8時間ほどでしょうか。

 なのですが、今回はまた大きな誤算というか、反省しきりの山行となってしまいました。
 ・なかなか行けなかったからか・・・欲張りすぎた
 ・なのにタイムスケジュールがアバウトすぎた
 ・そもそも朝起きられなさすぎ!出足が遅すぎた
 ・しかも、冬の日の入りを甘く見た
 ・極めつけ、漆黒の森を歩くということが本当の意味で全然わかっていなかった! 
 なんてお話はこの後で

 とはいえ、爽快な山歩きのスタートでございます。
 登山口朝9時ごろのスタートということで、帰りは絶対に暗くなるから、ちゃんとヘッドライトを持参!
 さっ、行こう。

 いきなりの紅葉!今年最後の紅葉です。やったね!来た甲斐がありました。

 この紅葉のトンネルの尾根を歩きます。ガンバレガンバレ!気持ちいいね~上機嫌です。

 杉の林の尾根もとっても素敵です。さすが丹沢!良いぞ、良いぞ!
 寒波でも、このあたりからは汗だくでシャツ1枚でOKでした。

 間もなく、バカ尾根と呼ばれる大倉尾根です。全長約7km、標高差約1200mで、だらだらとした長い登りが続くことから「バカ尾根」と呼ばれているそうですが、マジできついです。日頃の運動不足と寝不足で息も絶え絶えな夫も仕方なく登っております(ーー;)

 とにかく・・キツイ!

 でも、そろそろ富士山が見え隠れし始めると元気が出ます。頂上に近くなるにつれ山道には霜柱が立ち雪道になってきました。アイゼンも準備しておりましたが、そこまでするほどではないにしろ、ツルンツルン、そうこうしながら、頂上到着!おっお~富士山!ジャンプすると届きそうに感じます。

 やったね山頂!随分と寒いですが、しかし爽快です。
 ちょうどお昼時12時頃でしたが紅葉シーズンが過ぎ、イイ感じの混み具合です。
 ここで、リュックを下ろして写真休憩~!(これが長すぎた、まだもう一つ山頂を目指すというのに

 そうなんです。私たちは稜線の尾根を歩いて、もう一つの山頂「鍋割山」でお昼ご飯の予定です。実はそのお昼ご飯を食べるために登ってきたようなものだから・・・(^^;)だ・か・ら、早くせっせと「塔ノ岳」~「鍋割山」へ行かねバ!多少のアップダウンはありますが、なかなかの気持ち良い尾根歩きです。

 この稜線は冬枯れの小道という感じで、ここすごく好きな場所です。写真には収められませんでしたが小鳥が木から木へと遊んでいます。ゆっくり歩こうよ~(それがまたタイムロスにつながるわけですが・・・)

 さて、遅めのお昼ご飯はこれです!鍋割山山頂の「鍋割山荘」名物、「鍋焼きうどん」。時間をずらした甲斐あって待ち時間なし!

 かぼちゃの天ぷらが美味しいワ~!雄大な景色の中でアツアツの鍋焼きうどん。身も心もほかほかに沁みてきます。なんだか涙がでそう(^^;)

 さてさて、お昼休憩ということで、ひとしきりリラックス!向こうに見えるのは相模湾。さすがに寒さがしみますが、キラキラと輝いてとても美しいです。ちょっと黄昏てみました。

 ウッホ~っ、腰が伸びるわ~!PCを見つめる時間が多い夫にはかなり感動的な景色らしい。
 しかし「あれ?俺の空・・もしかして陽が落ちてきてるんじゃないの!?ちょっと、今何時だよ!?」

 そうなのです!ここで始めて気づく私たち・・・実はもう3時近いということに・・・。
 それは極めてやばい状況で、周りを見ると人影まばら。。。急いで下山セネバ本当に暗闇に突入だから!

 焼き芋したいね。なんてぐらい落ち葉がまたキレイでふわふわっ。でも急がねば。だってお空がこんな・・・でも美しい。できればずっと見ていたいぐらいだね!(って本当にノー天気もいい加減にセネバ(ーー;)

 このあたりで緊急事態発生!実は私、若い頃に膝の手術をしたのですが、その古傷が急に痛み始めてしまいました。ここ数年痛んだことなんてなかったのに(;_;) 痛い、そんな早く歩けない、痛い・・。そんな馬鹿な!!でも、どんどん陽が沈んで来るから、とにかくこの山道から抜け出ないと。

 午後5時近くに足をひきずりながら、やっとこさ沢の付近に下山。本当はここでコーヒータイムでもしたかったのですが、もう待ったなしの夕暮れです。

 仕方ない・・ライト、装着っ!

 ここからが恐怖の闇のハイキングの始まりなわけです・・・・あっという間に暗い闇が迫ってきます。

 すると、目の前を鹿さんと思われる二匹の動物がじゃれあいながら走り過ぎて行きました。
 げっオオカミだったらどうする?と立ちすくむ私たち。いやいやそんなはずはないよ。鹿だよ!
 するとすぐに戻ってきて、たぶん女の子(角がないので)首をかしげてキョトンと見つめてまた走り去りました。まるで「大丈夫?」って言われたみたいでした。

 とにかく真っ暗で・・・また何かが私の肩に触りました。リス?とにかく、とにかく日が暮れた森の中は動物たちの時間!なのに・・・お邪魔してしまって本当にごめんなさい。そしてご心配おかけしましたm(_ _)m

 何しろ思えば来た道をピストンではないために新しい道を歩くわけで、なのに漆黒の闇の中って、そんな危険なことはありません。怖くて怖くて怖くて、もしかして遭難するのではないかと・・・勇気を出すために歌ったり大声で話したり、大変!
 しかし結局、最後の最後、大倉まであと700mの表示、民家の灯も見えるというところで、まさかの迷子。なぜだか行く道を失ってしまいました。ヤバイ(;_;)

 そこで何やら森と外を遮る柵のようなものを発見。本当は通り抜け禁止らしい、業務用の車のみ通行可能な車乗り入れの柵みたい。向こうには民家の気配あり。よし、こうなりゃもうやけくそ!とばかりに、その柵、乗り越えました。するとやっと小さな街灯が・・・・・・助かった!

 その民家はどうやら酪農農家のようで牛さんがいっぱい。牛さんのお世話をする人影を見つけて、どうしたらバス停に帰れるのかを尋ね、随分大回りをしてバス停へ・・・。バス停着は6時を過ぎていました(;_;)

 足を引きずりながら命拾いしたねとトボトボ歩いていると・・・・赤い月が暗い闇の中に登り始めました。
 さすがに、お月様は・・・綺麗です。。。満月の次の日。
 なんだかわからないけど・・・助けてくれてありがとう、お月様!そんな気分でした。

 ふぅ~っ。。そんなこんなの山行でございましたが・・・
 とにかく、真っ暗とはどういうことか、森の中で真っ暗って、どういうことなのか、よ~くわかりました。
 絶対にもう二度とやってはダメ!
 あれから2日が経ちますが、我が家では猛省会の日々でございます。

 もし遭難したら・・・もしかすると、あの鹿さんが寄り添って温めてくれたかもしれないネ・・・なんて、また甘っちょろいファンタジーを語っていては・・・本当にダメ(>_<)

 今回は、山初心者の誠に愚かな体験談となってしまいましたが、登山をされる皆さまはきっとそんな無謀なご計画は決してなさらないことと思います。こんな無謀なことさえなければ、丹沢は近くて美しい、本当に素敵な山なのでございます。いつか季節の良い時に、闇で歩いた林道をお陽様の光りの下、もう一度訪ねてみたいと思います。