北八ヶ岳「北横岳」雪山にて

白銀の山

 師走に入ってからは寒波に大雪にと、寒い地方では一層寒くて、雪山はどんなことになっているのだろう?年が明けるのが待てなくて、心配しながら向かったのは、北八ヶ岳「北横岳」&「縞枯山」という、雪山初級者に人気の山です。

 というわけで、2014年最後の山行は、白銀の雪山にて!

 東京からは新宿から特急あずさで茅野まで。茅野からバスで約1時間で北八ヶ岳ロープーウェイへ。
 へへっそうなのです。またまたロープウェイで標高を稼げる山です。

 ロープウェイの下はピラタス蓼科スノーリゾートのゲレンデとなっているので、スキー経験のある方も多いかと思います。なのでロープウェイの中は9割以上がスキー客の皆さま。大きなリュックを背負った雪山登山者はわずかですが、でも中にはガッツリ登るぞ!な気さくな雪男さんもいて、心強いです。 

 目指す山は「北横岳」山頂2480m、あそこの上です。

 実は若い頃はスキーに興じておりました。だけど膝を壊して手術してスキーができなくなりました。で、その次にゴルフにもチャレンジしました。するとほどなく肘を故障してこれもできなくなりました(;_;) それで、ならば山歩きはどうよ?ということで、膝にも肘にもサポータして、近ごろ見つけた趣味が山登りなんです(^^;
 今回の課題は、近ごろ手に入れた新兵器「スノーシュー」というのですが、これを履きこなしたいってこと。スノーシューは西洋式の「かんじき」。雪が深いところでも浮力が高くて雪上を散歩するのに快適なグッズです。

 ということで、まずは、初スノーシューにチャレンジです♪
 ロープウェイ山頂には坪庭自然園という北横岳と縞枯山の鞍部に広がる約10万坪の溶岩台地が広がっています。夏には高山植物が咲き誇る場所ですが、冬は一面の雪景色。スノーシューレッスンに最適!

 うん。簡単!誰でもすぐ歩けるって聞きましたが、なかなかの快適具合でございます。
 スノーシューはスキーやスノーボードの板と違って滑る道具ではなく歩く道具です。
 滑らないように雪に対してグリップが効くようにギザギザがついてるので安心。

 この日はとってもお天気が良くて、標高2240mの坪庭は最高に気持ちが良いです。
 坪庭を一周ぐるっと歩いて、縞枯山方面に向かいました。山荘前で飛んだり跳ねたり遊びたい放題です。

 樹氷がきれい。。

 この日の到着は午後なので、まず初日は坪庭散策。北横岳登山は翌日の予定にしていました。
 これでもうスノーシューは完璧、明日の登山はスノーシューで行こっ!
 日が傾くまで遊んでなかなか充実した雪山初日が終わり、ロープウェイ山麓のペンションで宿泊。 
 明日天気にな~れ♪

 しかし・・・朝起きると(;_;)危ぶまれていた天気予報が予報以上に悪い方に的中!
 大荒れのお天気になってしまいました。
 どうしよう・・・。

 え~、でもとりあえず行けるところまで行こうよ~。
 すると、ヘッポコガイドの夫が、行くのはいいがスノーシューはやめて12本爪アイゼンだ!
 昨夜のうちに大雪が降り積もり登山道がわかりづらく危険になってるに違いない。
 スノーシューは狭いところが苦手だし機敏に動けないしアイゼンほどのグリップもないじゃん!
 だからスノーシューは置いて行きます(きっぱり!)
 え~めっちゃ練習できたのに・・・(;_;) 
 ダメです!

 というわけで、昨日快適だった坪庭はこんなことに・・・。人がいない。。

 しかも雪が吹き付けてくるので、登山ウェアの上にゴアテックスの上下を着込み、リュックにもレインカバーの重装備(ーー;) 
 いよいよ登山道突入です。
 本当なら快適な軽登山のはずが・・・ものすごい雪の量。。。

 もし何かあったら雪に埋もれてしまうかも・・・

 小一時間頑張ると山小屋が見えてきました。
 この山小屋の人と登山口ですれ違い、日帰りですよね!今日は天気が荒れるから山小屋は閉めましたから、気をつけて登って降りて来てくださいと念を押されましたが、やっぱり閉まってる。

 ここからが急な登り坂。といっても雪だらけでもう何がなんだかわかりませんが、確かにすごい急な登り坂。アイゼン12本爪なのに・・ズルっズルって体力消耗です(ーー;)

 ふう~、あとどのくらい?

 あとちょっと。

 すると地面も空も真っ白な不思議な世界に飛び出ました。イマイチ感動がないのですけど(^^;たぶん山頂!北横岳南峰到着。

 でも・・・本当に何も見えない。スゴイ風です。何も見えないからスゴイ怖いです。
 本当は南八ヶ岳や南アルプスの峰々が一望できる絶景と対面するはずだったのに・・・残念。

 北横岳の山頂は南峰と北峰があり、このすぐ近くに北峰があるはず。でもトレースは猛烈な雪風で飛ばされたのか?人がいないせいか?どっちが道なのかも全然わかりません~。どうしよう・・・
 ということで、もちろんヘッポコガイド判断で、ここで折り返し!
 見る見るうちに、帽子もウェアも凍りついてきます。

 早く降りないと氷像になってしまいそうでした。

 ようやく安全地帯まで下山して、雪山お約束の、ふかふかの新雪に寝そべってみたい~!を実現して
 ほっと一息です(^^; 

 てなわけで、今年最後の山修行を無事に終えて帰ってまいりましが、晴れた日と荒れた日と、あまりにも変わる山の表情には本当にびっくり致します。人間にはどうしたって抗うことのできない自然の大きな力。
 あまりにも美しい表情を魅せてくれて、そしてやさしく癒してくれる日があるのに、時には猛烈に厳しくて甘っちょろい自信なんて木っ端微塵に打ち砕いてくれるわけで・・・
 今年も色んな山の姿と対面してまいりました。まだまだ始めたばかりの山歩きですが、行く度に、行く山ごとに、色んな体験をさせて頂いております。今年は一層その魅力にすっかりはまってしまいましたが、来年も無理せずに、たまにゆっくりと楽しんでまいりたいと思います。

 さて、いよいよ間もなく今年が終わろうとしています。
 来年はどんな年になるのでございましょうか?

 キラキラとした希望に満ちた新年の幕開けとなりますことを、心よりお祈り致しております。