スノーモンスターを追いかけて~「蔵王」にて。

白銀の山

 この季節に、ずっとぜひ、どーしても会いたかった「スノーモンスター」に会いに、東北山形「蔵王」へ行ってまいりました!

 スノーモンスターとは樹氷のことなのですが、樹木が激しい風雪にさらされて凍りつき、さらに雪がまきつき、どんどん雪氷に覆われて巨大な雪のオブジェのように成長したものです。
 こんな風になるには、気象条件や降雪量、樹木の種類などの条件が必要で、蔵王のモンスター群は世界的にも希少で、まことに素晴らしい自然の芸術品といわれてます。

 ネっ(*゚▽゚*)見る価値ありなのです。
 しかも、2月は、モンスター成長ピークの絶対見ごろシーズンです。

 一つ一つのモンスターもすごい圧巻ですが、ズラリと並ぶモンスターに覆われた真っ白な山肌は息を呑むほど美しい。。。

 しかし、この景色に会う前にまたも、大変な試練を味わうことになってしまいました。
 実は、蔵王を登るにあたり、地蔵山~熊野岳~刈田岳という蔵王山縦走を計画しておりました!
 そこへはロープウェイを利用して行けて、絶景が期待できる快適な登山のはず。

 だのに、またもやの悪天候!東北地方大荒れ?のお天気・・・
 でも、宿泊も予定しておりましたので、とりあえず行かねば。

 蔵王は有名なスキー場でもあり素敵なゲレンデがいっぱいです。なのでロープウェイの中もスキーやスノボを担いだ人でいっぱいでした。途中まではお天気も良かったのです。だけど上に行くほど荒天ホワイトアウトで、乗り合わせた地元スキーヤーの方には、「きょう登山きついですよね~上何も見えないと思います。気をつけてくださいね」と言われる始末。

 よって、マイナス10度を超える世界を彷徨うこととなり、今回の出で立ちはこんな感じ。どんなけ重ね着すれば気が済むのかってほどですが、まだ寒い。今回も「スノーシュー」で登山です。

 ロープウェイ山頂駅には、お地蔵さんがいらっしゃいます。ここからゲレンデを滑り降りるスキーヤーさんも皆さんお地蔵さんにご挨拶、ですが・・かろうじてお顔だけ雪から出ています。本当はあぐらをかいて土台の上に座るでっかなお地蔵さんなのですが・・

 さて、まずは一つ目の山「地蔵山」山頂を目指しますが、実はこれはサクッと行けるはず。
 ホワイトアウトの中のモンスターはやたらに怖い!こんなはずではなかったのですが、それはそれで誠に幻想的な世界でした。

 歩き始めて直ぐに、「これはヤバイ!遭難する!?」またもやヘッポコガイドの夫がネガティブなことを言い始めることとなり・・・だってこんなんですものね~(ーー;)

 雪山には登山路がわかるように30m置きぐらいにポールが立っています。しかしここ蔵王のポールは雪が凍ってさらに強烈な風雪でこんなことになっています。通称エビのしっぽ。かろうじて次のエビが見える程度の吹雪です。

 本当はサクッと登頂できるはずの地蔵山山頂(1703m)に大いに時間を要してしまい、でもやっと到着。

 ここから、蔵王最高峰熊野岳を目指すのですが、次のポールが見え隠れして、進んで良いのかどうなのか?めちゃくちゃなお天気に・・・。

 ではありますが、ヘッポコガイドの夫はカメラマンも兼務しており色々大変なわけで・・・悪いね、ブログ写真よろしく!ダメだ何も見えんぞ(>_<)

 で、そのヘッポコカメラマン吹雪の中の渾身の一枚?はこれが限界!?・・・あ~太陽どこぉ~??

 すると向こうの方から登山者さんが・・・。全然前が見えないので突然に人が現れるという驚きの世界です。で、「いや~ダメですね。何も見えません。仕方ないのでリタイヤですかね~」とベテランそうな登山者さんに話しかけられ(山では情報の交換や共有がとっても大事)、にしてもうちのヘッポコガイドはそれを聞いて意気揚々と「ですよね、ですよね!僕たちも折り返します」って(ーー;) でも、ここで判断セネバ万一のこともあり・・・仕方なく戻ろう!

 残念無念で猛烈な吹雪の中下山しておりましたら、地元の写真家さん?登山家さん?が登ってこられて、「上どうですか?」なんて尋ねられ、「いやどうもこうもありませんよ~っ」てお話してましたら、「このまま帰るのはもったいないよ!午後からはこの下は晴れてくると思うよ!よかったらザンゲ坂~樹氷原を歩いて降りたらいいよ」とアドバイスを頂戴しました。どうしよ?

 とりあえずロープウェイ駅まで降りると、さすが地元の方のアドバイス、晴れてきた。でも地蔵山を見上げると相変わらず山頂は霧の中。。。あそこに居たんだ(^^;

 ということで、先ほどのアドバイスに従い、ここからの下山は『ざんげ坂・樹氷原コース』というゲレンデ脇を歩くことにしました。
 するとヤッター!晴れてきた!山頂はあんななのに・・・山のお天気は本当に不思議です。
 しかも、あれほど会いたかったモンスターがテンコモリ。テンションも急に上がり始めました。

 ここからは、絶景の連続です!諦めていただけに、この景色は興奮状態です(o^^o)

 ゲレンデ脇はモンスターいっぱいで、もうワクワクで言葉になりませぬ。なんて素敵ななコースなのでしょ!

 モンスターをくぐり抜けて、歩け歩け!

 たまにゲレンデも歩きます。

 しかし、ここを歩くことは全く計画外で、どのくらい歩くのか予想できていなかったのですが、このコース10㌔でした(^^; 途中スキーヤーさんに、「あっ、スノーシューいいな!」なんて声かけられましたが、「いえいえ、スキー羨ましいです!」

 モンスターたちはまるで生き物のようです。例えば右端の子はトトロみたい。

 大きな兎。

 なんか二人のモンスターがチュッ(^ε^)-☆!!してて皆に祝福されてるみたい。

 山頂に居たことが嘘のように晴れ渡り、とりあえずゴアテックスの上下が脱げました!爽快です。

 冬のお陽様はあっという間に傾いてきますが、静かな雪原に染み渡る太陽の光は、身にも心にもジンワリと染み込んできます。

 今回は諦めかけた念願のスノーモンスターをこれほどまでに堪能できて、登頂はできませんでしたが、もう大満足でございます。
 そして、色んな見知らぬ人に情報を頂いて雪の蔵王を堪能することができ、山形の皆さまは本当にあったかい!そんなことも、今回の山旅の素敵な思い出になりました。

 実は、スキーやスノボ、雪山登山などしなくても、このスノーモンスターを味わうことができます。ロープウェイ山頂駅までは観光客の皆さまも登ってこられていましたし、この時期は夜間ライトアップもしています。
 これまた吹雪の中ではありましたが、こんな幻想的な景色を見ることができるのです。まるで月面着陸したみたいでしょ!?本当に素敵なんですから(^O^) もし機会があれば実物を見て頂きたいです。

 てなことで、今回もまた、長々と白い世界を繰り広げてしまいましたが、ちゃんとリフレッシュしてお店番に復帰いたしました。

 追伸:どうしてもお伝えしておかねばならぬこと!

 この山レポをご覧下さり、私も山登りに行ってみよって思われました際には、ぜひご自身で入念にご準備をして頂いてチャレンジをして頂ければと思います。
 と申しますのは、この山レポをご覧下さり山ガールをはじめられた方が山で大怪我をされました。山歩きはとても楽しいのですが、いつも危険と隣あわせです。どうかご経験のある方との同行、そして装備などのご準備を十分になさってからご参考にして頂ければと思います。

 例えば蔵王では、ロープウェイ山頂駅には「立ち入り禁止」のロープが貼られています。登山するにはこのロープをくぐって先を行かねばならぬのですが、「登山の方以外は立ち入り禁止区域に入らないでください」と何度もアナウンスされていました。つまりそれは、気軽な気持ちでその先へ行かないでくださいね。ちゃんと装備も経験も準備を整えて行くところですよ!って意味です。
 ヘッポコ山ガールが偉そうなことを申しまして誠に恐縮でございますが、どうか、くれぐれも何卒よろしくお願い申しあげる次第でございます。m(_ _)m