年末年始ほっこり登山。初日の出は八ヶ岳「天狗岳」にて

白銀の山

2018年新しい年がはじまりました。あけましておめでとうございます。

新年のお仕事はじめのその前に。。。

今年は年越しを2,600mの山中で過ごし、山の上で新しい太陽の恵みを頂いてまいりました。ちょっぴりご来光のお裾分け&白銀の世界と初日の出の山レポート、お時間がありましたら、どうぞお付き合い下さいましたら嬉しいです。

私ごとで恐縮ですが、これまでの年末年始には帰省という大仕事があり、さらにここ数年は両親の介護問題もあってなかなかに厳しい年末年始でしたが、しかしそれが急になくなると、それはそれでポッカリ…なんだか気持ちの置きどころのない気分になっておりました。するとヘッポコ山男の夫が「山へ行こう!初日の出を見るのだ」と言うので、そのポッカリを埋めてくれる新しいお日様の温もりを求めて、イザ!年越し登山!!となりました(^^;

年越しに選んだ山は、都心からのアクセスも良くて雪山初級者でも歩きやすい山「八ヶ岳」。今回は八ヶ岳の「天狗岳」に通年営業の山小屋があると聞いて、山小屋泊にて元旦の日の出を目指します。

歩いたコースは、秘湯「渋の湯」~山小屋「黒百合ヒュッテ」~雪稜歩きで東天狗岳山頂!

初級者の山と言っても、年末には遭難者もあり、ガッツリのアイゼンや、滑落防止のための大きな金槌みたいなピッケルという装備が必要なので安易に行ってはいけませんが(-_-;)、人生二度目のピッケル登山に挑むべく、今回も絶景を求めて大晦日のヘッポコ山コンビ、はりきってLet’s go!

中央線特急あずさにて茅野駅からバスで奥蓼科「湯の道街道」終点の渋御殿湯「渋の湯」登山口から、白銀の山へ入ります。この辺りは秘湯も多く魅力的ですが、まずは山へ!初日の出を求めての登山者さんも多くて心強いスタートです(‘ω’)

山に入りいきなりの急坂を登りきると、もうそこは別世界!久しぶりの雪道に感激もひとしおです。

シラビソの静かな樹林歩きが続きます。

雪がしまっていて、まるで片栗粉を踏みしめているようでとっても心地が良いのですが、寒さは厳しくて、なんとカメラが一台動かなくなってしまいました(-_-;)

登るほどにシラビソの木は白銀の雪に覆われて、幻想的な雪景色に包まれます。

大晦日の日の目的地、年越しをお世話になる黒百合ヒュッテまでは2時間半ほどで到着。危険なこともなく、アイゼンも不要でサクッと到着いたしました。ふふふっ温まろ(*^-^*)

ザックを降ろして温かいお汁粉を頂いている間に雪が降り始めました。目指す山頂はホワイトアウトの中。

明日大丈夫かな~(-_-;) だから、滑落訓練が重要なわけよ!とヘッポコが言い出して…えっ(*_*;「さっピッケル特訓するよ!」と相成り。。マジですか(◎_◎;)。。。小屋前の急斜面を利用して自主トレ。

それは、しりもちと言います!もっと滑り落ちてきてひっくり返って脇締めてピッケルに体重かけて止めて!って、怖いよぉ(~_~;)・・・しばし雪まみれ(´;ω;`)

クリスマスツリーのようなシラビソが白い世界に包まれる時間になりやっと小屋に退避(^^;

小屋の中の暖炉が赤々と燃えて小屋中がホッカホカです。

この日の夕食後はフォルクローレ・ミニコンサートが行われました。多くの登山者で賑わう年越しの山小屋は大盛り上がり。

黒百合ヒュッテのオリジナルワインを頂いて、大晦日の夜はほろ酔いのまま更けゆき。。。

2018年元旦の早朝。

新しい年の夜の帳が上がり始めました!行かなくちゃ!真新しい太陽に会いに!!

薄暗い中をヘッドライトの明かりを頼りに、まだ見ぬ山頂を目指します。ドキドキ????

初日の出は山頂手前の「中山峠」あたりを予定していました。いよいよ奥秩父の山々の稜線がオレンジ色に燃え始めました。おっお~!!

決してお天気が良いとは言えない朝でしたが、煙る空を押し上げて、今年初めての太陽が顔を出しました。

キタ ――(゚∀゚)――!!

凄いです!お空は星も見えぬ雲に覆われた朝でしたが、太陽だけは必ず輝いてくれる。なんとも幻想的で言葉にならぬ気持ちがこみ上げて来る、素晴らしい朝日です。

ポッカリ空いた心のポケットに、スコンと入るまあるい太陽に、感謝!

辺り一面、オレンジ色とピンク色が交じり合ったような、見たことのない美しい色に染まりました。とてつもなく痛いほど寒いのですが、それも厭わず見つめる、感動の初日の出です。

あけまして、おめでとうございます(^^)/

そして、雪と強風にさらされて中々に厳しい登頂チャレンジとなりましたが、うっすらと山頂が見えてきました。

ここからは激しい急坂と凍り付いた岩場の連続で、しかも八ヶ岳名物の強風が雪を伴って容赦なく吹き付けてきて、カメラどころではなくなりまして(^^;とにかく、アイゼンを効かせる、重心を落としてしっかり踏みしめる、ピッケルを使ってゆっくりゆっくり、頂を目指します。

小一時間試練に耐えると、やったぁ~東天狗岳、登頂ですっ!!

山頂はホワイトアウト(>_<)登頂と同時に皆さんすぐに下山されるので、記念撮影を頼めそうにもなく、一人ずつ。手袋を外すと手がどおにかなりそうなので、とにかく手袋のまま手探りで撮影一瞬。

山登りは山ウェアのお洒落から♪の私と違い、山登りはファッションではない!と豪語するヘッポコ相棒は、なんとヘナチョコな帽子を強風に飛ばされてしまい頭が凍るということで持ち物をすべてを巻き付けての登頂になりました(-_-;) ふふっファッションってお洒落だけじゃなくて機能性も伴うことだから、軽んじてはいけない身を助ける大事なことだって言ってるのにネ(^^;

本当はもう一つのピーク西天狗岳を目指したかったのですが、何も見えず!しかも全身凍りそうで長居はできませぬ(>_<) 下山、開始!

急斜面の下山は怖い(+_+)

昨日の滑落訓練が頭をよぎりますが、ここではマジな滑落となるわけでダメダメ、ゆっくりしっかり心地よく足を運ぼう!

しかし、すんばらしい絶景に、こわごわ、うわぁ~い!(^^)!

白銀の八ヶ岳、そして見て、この美しい雪空。

元旦朝のうっすらとした青空に雪をまとった木々の枝は何とも繊細で美しく、うっとりするほどです。

何日も降り積もる雪が凍り、素敵な雪の彫刻のようです。繊細な自然の芸術にも、大自然の素晴らしさを体感します。

安全地帯、ヒュッテに戻りました。そしてここには諏訪大社分社の祠があります。ここで2018年最初の初詣をいたしました。今年も一年どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m

ヒュッテで登頂報告をしたりココアを飲んだり、荷造りしたり、一晩ご一緒した方々にご挨拶して、愛言葉は「またどこかの山で会いましょう~♪」そして、下山。

ヒュッテから登山口の渋の湯まではアイゼンなしでも快適な気持ちの良い雪道です。スキップして行こう(^^♪

シラビソの葉にも美味しそうな粉砂糖が降りかかっているように、美しくて、触ってはいけないような気がします。

そういえば、実は登頂時にヘッポコが飛ばされた帽子、なんと下山時に頂上下の峠に雪の彫刻のように鎮座していました。大喜びで回収して、おみくじがあれば大吉だね!というノー天気ぶり(^^;

登山口へ無事帰還~♬

振り返ると昨日は見えなかった天狗岳の姿を仰ぐことができました。2017-18年越し、大変大変、お世話になりました(*^-^*)

そして、茅野駅行のバスを待つ行列に並びますが、ここ渋の湯では宿泊も立ち寄り湯も頂けるところで、本当は入浴を予定していたのですが、な、なんと、小屋でご一緒した地元の方々の評判があまりに良くなくて思いとどまり温泉入るのをやめてしまいました(-_-;)

それでも何だかほっこりと心温まる一泊二日の山行でした。ありがとう八ヶ岳!(^^)!

年の始めに思うこと、例えば「今年こそ地に足のついた毎日を送りたい」。それは簡単なようで難しい。地に足がつくってどういうことなのでしょう?だって実際足は地についているわけで空中を漂っているわけではないのだけど、でも、山を登るとわかること、足をつける場所はどこでも良いわけではない。

心も体もここで良いと思える場所に足をつけないと次の一歩で全身が揺らいでしまう。だから、自分ならではの足の置き場を自分で決めないと、前に進むことはできないのです。

「山を登ることは足の置き場を決めること、それは人生と同じだ」(by『山女日記』)

強風にさらされながら不安定な雪道を歩き、そんなフレーズが心にしみる年越しとなりました。

今年はどんな一年になるのでしょうね?きっとまた悲喜こもごもの色んな経験をすることになるのでしょう。でも、大丈夫です!心を落ち着けてゆっくりゆっくり一歩ずつ、もし足の置き場を見失ったら無理せず立ち止まってみませんか。そしてどうぞ自分らしい歩みで、未だ見ぬ素敵な景色に会いに、さぁLet’s go!!

どうぞ、思い出多き豊かな一年になりますことを、心よりお祈り申し上げます。