雪解けの尾瀬「至仏山」春の雪山と水芭蕉

白銀の山
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長雨が続いたGW、やっとやっと晴れマークのついた最終日、白銀の山を歩きました!

私はホントは、険しい山に登るよりもブラブラと自然に親しむハイキングを楽しみたいのですが・・・サラリーマン人生30年を過ぎて初の9連休となったヘッポコ相棒が、今か今かと山の天気を見つめており、もう我慢できないという最終日前夜、登山口駐車場での車中泊にて、連休滑り込み登山にまいりました。

夫婦でヘッポコ山歩き、今回は残雪の尾瀬です。尾瀬の湿原では例年よりも一足早く水芭蕉が出迎えてくれて、早めの雪解けにちょっぴりビックリな晩春の尾瀬です。

行先は、尾瀬の百名山「至仏山(しぶつさん)」

尾瀬には「至仏山」と「燧ケ岳(ひうちがたけ)」という2つの百名山があり、その山と山の間には観光パンフレットにも掲載される清々しい尾瀬「尾瀬ヶ原」が広がっています。今回は、百名山「至仏山(しぶつさん)」(標高2,228m)を登ることになりました。

至仏山は植生保護が厳しくて、4月下旬に山開きとなってからGW期間中5/6までしか歩くことのできないコースがあります。5/7~6月下旬までまた登山道閉鎖となるとのことで、ダメだマジで行かなくちゃ!夏にはホントは「花の山」として有名な至仏山ですが、この期間中だけは大きな大きな雪の滑り台と化す山へ、ホントにホントに満を持してLet’s goです。

群馬県片品村「尾瀬第一駐車場」に5/5の夜スタンバイ!そこはすでにもう高所で寒い夜の車中は寝袋シュラフにくるまって夜を明かします。そして早朝5時、お日様と一緒に「鳩待峠」登山口より花の山じゃなくて雪景色の山へとイザ(^_-)-☆

たぶんこの日の東京の気温は真夏日!満を持しただけあって、標高1500mの鳩待峠でも素晴らしい青空に恵まれました。

手前のポッコリとした山が「小至仏山」その向こうが「至仏山」山頂です。うっ、相変わらず頂上は遠い、ですが朝も早いことですし、ゆっくり参るといたしましょう!

足元は冷たい雪ですが、Tシャツ&半袖シャツで十分な清々しい空気の登山道です。ゆるやかな登りがずっと、これがまたずーーと続きます(^^;

それほど体力があるわけではないので登り坂はいつも大変なんですが💦頭の中では何も考えていません。ひたすら大自然に浸ります。そんな時間は山登りの時だけかもしれません。清々しい空気が体中に沁みわたり、貯め込んでしまった余計なものから解放されていきます(*^^*)

お日様に照らされた雪はシャーベットのようです。シャリシャリうふふ(#^.^#)

夏の登山道とは違い、雪の尾根道をシャカシャカ踏みしめて歩きます。

至仏山は森林限界が低く、あっという間に森を抜けて白銀の世界へと到達してしまいます。まだまだ頂上は遠いですが・・・

日焼け覚悟でしばし雪と戯れてみたりして。。

この雪の尾根歩きはゆるやかな登り坂、ハァハァするわりには、これがなかなかに楽しいです。

へへっ、なんだか凄い雪山を歩いているみたいに見える(^^;

見えてきました。小至仏山のその向こうに至仏山頂上!今年は雪解けが早くて例年の半分ほどしか雪がないそうで、雪と新しい緑のコントラストも一興です。

ここを登れば、あそこが至仏山頂上です!

よいしょっと重いお尻を持ち上げて頂上到着!登山口から約3時間の雪山登山でした。

これがもう、頂上からの360度ビューはなんとも素晴らしくて、絶景のご褒美💓

あの山は尾瀬のもう一つの百名山「燧ケ岳(ひうちがたけ)」です。その手前に広がる尾瀬ヶ原。そういえば燧ケ岳には秋に登頂したのでした。四季折々の尾瀬はいつでも戻って来たくなる場所です。(→紅葉の尾瀬「燧ケ岳」編)

越後の山々へ、ヤッホー!

実は、この山レポを楽しみにして下さるお客様も大勢いらして近頃とても嬉しいのですが、たぶん誰よりも熟読するのがこのヘッポコ相棒です(-_-;)唯一登場できるチャンスということで、山男らしく撮影してあげました。9連休最終日に念願叶いひらすら満足感に浸っております(^^;

行かねばならぬところがいっぱいだ!(by ヘッポコ)

あっ、この大きなスプーンは今回この後のためのスペシャルアイテムです(*^^*)

ランチタイムの特等席です。シートチャージ無料!ご飲食はお持ち込みで‼

山頂でのんびりゆ~っくりと過ごした後は、いよいよ下山。下山道は「GW期間限定コース」となります。夏山シーズンは植生保護のため下山は許されていませんが、この数日間のみ下山できるのです。つまりその、この日の日没まで限定!

下りるよ~!!

がしかし、ナニコレ!?凄い急斜面ではありませんか!?下が見えない(-_-;)しかも軽アイゼンのため、まるで滑り落ちるようなことに相成りまして・・・

頑張って少し下りると、さすが尾瀬の山!長い木道の階段が現れました。初夏のお空は絵に描いたように美しく、そうそうこんな場所を歩きたかったの私(*^-^*)

燧ケ岳(ひうちがたけ)と尾瀬ヶ原、ホホホッの絶景です。

天から続く長~い階段のよう。。

しかしそんなお気楽気分もここまで!やっぱり急斜面。尾瀬ヶ原までずぅーーと、山肌は大きな大きな滑り台です。ここ、降りるの・・・(>_<)

ということで、ここで登場!大きなスプーン=「ヒップそり」!これで滑り降りるという今回スペシャルな計画です(*^-^*)

がしかし、斜面が急すぎて信じられないほど滑ってしまい行く手も見えず、怖い!奈落の底はまだ見たことないですが、その底に落ちてしまいそうじゃないか(´;ω;`)

すると、こうやって滑るんだよ!というヘッポコ見本?ブーンブンブン♪

えっ?これも見本でしょうか(>_<)

気を取り直して、ギャァ~(^^)/

まだまだこの斜面が続きますが、尾瀬ヶ原に向かってイケイケ(^^♪燧ケ岳が見守ってくれているのだ!

とはいえちょっと歩いてみる。天と地の境目なんてホントはないのかもしれません。

そしてやっぱり滑って転んで・・体中が、シャツやズボンの中まで雪にまみれてしまいました💦

こんな下山は初体験ですが、これはこれで、もっと上手に滑れたハズと思うと心残りだったりしますが、もう一度やり直しもきかず、まぁヨシとしましょうか(^^; そして全身打撲みたいになってヨロヨロしながら、尾瀬ヶ原まで下山してまいりました。

そして、キターー!雪解けの尾瀬(*^^*)

例年はもっと雪が残っているそうですが、今年は夏が近い。

ずっと見守ってくれていた燧ケ岳と、イェイ(^^)/

振り返ると至仏山、あそこから滑り下りて、いえ落ちて、来たんです(^^;

午後になると青空が雲に覆われてきました。貴重な青空の下の山行でございました。ありがとう!至仏山(^^)/

下山地点は「山の鼻」といいます。小屋で一息ついて、スタート地点の「鳩待峠」まで、水芭蕉を探しながらブラブラと木道歩きです。

するとスグに出会いました。水芭蕉の群生地。雪解けしたばかり、生まれ始めたばかりのお花たちです。

こんにちわ!と顔をあげてご挨拶してくれました。もうすぐ来る夏の「夢みて咲いている♪水のほとり」「シャクナゲ色にたそがれる♪」なんと可愛い水芭蕉。

水芭蕉の花言葉は「美しい思い出」だそうです。

我が家ではまたしばらく今回の山行の思い出話と反省会が繰り返されることになりますが、美しいというよりも、いつも珍道中、誠に面白い思い出を積み重ねております(^^;本当はたまには山小屋やテントや車中泊じゃなくて素敵な温泉宿に泊まって、日ごろの疲れを癒し上げ膳据え膳にありつきたいと思うのに、どうしても毎度の貴重な体験が忘れられずに不自由を承知で山へと向かってしまいます。

上げ膳据え膳を差し置いても体験したいこと、それはもう、どんなに人が力を尽くしてもどうにもならない圧倒的な自然の恵みなのでございます(^^;

尾瀬は色んな角度から何度行っても楽しめる本当に素敵なところでした。これからの夏山シーズンにはきっと、広い空と大地の素晴らしい景色が広がる尾瀬。山に登らなくても、またぜひこれからも訪れたい場所の一つです。

さっ、また日常がはじまります。そしてまた知らず知らず心が重たくなったなら、次はどこの山へ行こうかな。