春風の花を散らすと見る夢
はさめても胸のさわぐなりけり
(西行)
都内の桜が終わりを迎え、今年は随分と早い新緑の季節がはじまりそうです。
先日の定休日、この春最後のお花見に、またちょこっと山の中へ行って参りました。山といっても里山、東京都心からもほど近い、神奈川県秦野市東部の丹沢山塊にある弘法山お花見ハイキング。
思えば夫婦で山登りを始めて5-6年になります。私たちヘッポコはお恥ずかしいことですが余暇を過ごすのが苦手なタイプで、何しろお仕事優先の殺伐とした生活が続き、夫婦で何か?といってもたまぁ~に外食をするぐらいでした。でも数年前ぐらいから、これからお互いに年齢を重ねる旅路ではもう少し寄り添って歩けた方が良いのではないか!?と漠然と思い始め、いつの間にか山に行くようになってしまいました(^^; なんで山だったのか謎ですが、これが行き始めると、山中は何かと不便ではありますが、そんなことどうでも良いぐらい、圧倒的な大自然にとても心がほぐれ、下山後にもその体験を共有でき、素晴らしい山の恵に感謝する今日この頃となりました。
今回は登山というより、お花見♪桜の下でのお昼寝を目指して、またまたハリキッテ Let’ go !
ハイキングコースは、小田急「鶴巻温泉駅」出発⇒弘法山・権現山・浅間山⇒小田急「秦野駅」到着。歩行距離8-10キロのアップダウンの少ない心地の良いお散歩道です。
この道は「関東ふれあいの道」に指定されているのだそうです。
いつものストックなども不要で、とても歩きやすい里山です。
多少の登りはありますが、標高は200mちょっと、木々の間からは市街地が見えます。
すでに新緑の心地よいハイキングコースです、しかし桜はどこでしょう?
通常は「秦野駅」からスタートする方の多いハイキングコースですが、私たちは「鶴巻温泉駅」近くにマイカーを置いて、鶴巻温泉から入山しました。ベストシーズンは混雑するとの情報もありましたが、でも鶴巻温泉からのハイカーさんは少なくて快適です。なだらかな山道がずっと続きます。
小一時間そんな道を歩くと、おっお~????「弘法山」到着!弘法大師がここで修行を行ったとされる故事に由来するのだそうです。釈迦堂、鐘楼、井戸がありました。とにかく大賑わい。長い道を歩かずとも、この下まで車で来ることができることもあり「桜まつり」開催中!多くの人で賑わっていました。
桜は、散り始め。吹く風に花びらを散らし申し訳のないことに、花びらを踏まずには歩けないほどです。
弘法山公園は「花の名所」でもあり、自然豊かな公園は桜色に染まっていました。
里山の桜は気取らず素朴で、優しい思いやりを感じます。
桜のトンネル、スキップして行こう~????
青空も桜色。都心で見るソメイヨシノとは少し違う、繊細で可憐な桜です。
弘法山からお隣の権現山(ごんげんやま)へ。ずっと続く桜の道。
道沿いには提灯が続いており、夜間はライトアップされているそうです。
もうこれ以上咲けないほど、咲いてくれています。
桜の中でも山桜が一番好きです。薄紅色の花と一緒に咲く赤い葉っぱが愛おしいです。
気分はもう・・・
色そむる花の枝にもすすまれて
梢まで咲くわが心かな(西行)
この白い桜は何て名前でしょう?山桜と同じく花と葉っぱが同時に咲いていますが、白と緑、もしかしてオオシマザクラかな。
権現山から丹沢大山を望む。とても多くの方がお花見をされていました。この世の春、爛漫でございます(*^^*)
この日の富士は春霞の中でしたが、目をこらして見ると遠く富士山がうっすらと浮かび上がりました。富士山・・大きい(@_@。
桜の木陰を選んで昼食タイム、お湯を沸かしてラーメンをつくりコーヒーを入れて、そして寝転んでみました。すると頭上は桜の競演です。
寝返りを打ってもどっち見ても桜????。花びらが体の上に舞い落ちます。このまましばらくすると、桜の花びらに埋もれてしまうかもしれません。それはそれで、それならそれで、願わくは…桜の気持ちに包まれてみたいものございます。
権現山から浅間山へ。桜の道は続きます。
浅間山で、さっきお昼寝したばかりなのに、どうしようもなく眠くて、またここでもゴロリンしました(^^;
あくがるる心はさても山桜
散りなんのちや身にかへるべき(西行)
さて、そろそろ下山の時でございます。今年の桜は見納めかと思うととても名残惜しいのですが、これから新緑の季節、そして秋の紅葉の頃へと季節を巡り、折々の美しい表情を見せてくれることでしょう。ありがとうございます????
秦野駅からの登山道はずっと登り坂だったようで、降りるのは軽々ですが、すれ違う人はハァハァ大変そうでした。これは鶴巻からの方がうんと楽なような気がしますが、どうでしょう(^^;
あっという間に秦野側の登山口に降りてきてしまいました。ここから駅まではすぐのハズなのですが、ちょこっと水無川沿いに素敵な桜の名所があると聞いて足を延ばすことに。しかしそれが、逆ルートで歩いたせいか周りにハイカーさんも誰も見当たらず、何故だか市街地で迷子となってしまいました(-_-;)
水無川はここ?と思いきや、どうやら違う!周りは畑と住宅街、せせらぎの音の素敵な小さな川沿いを見つけてしまい、誘われるように歩いてしまいました(*^^*)
すると学校があり、満開の桜の道が続いていました。人影もなく、なんとももったいないほどの桜道に感激ひとしお。ですが、ここはどこ?スマホの地図を見ようと思いきやヘッポココンビのヘッポコスマホは電池切れ!やっとすれ違った方や郵便屋さんに道を尋ね尋ね。でも知らない町を歩くのもなかなか楽しい道中でした。
そして随分と遠回りをしてたどり着いた、水無川添いの桜並木。たくさんの人が思い思いの休日を満喫されていました。
丹沢登山には何度か足を運んでいますが秦野市街地を歩くのは初めてのことでした。この季節の秦野は、山も街も桜色に染まる、何ともとっても素敵なところでした。桜の美しい場所は、新緑も紅葉も美しいのです。四季折々の風情を思い描くと「またもう一度歩いてみたいリスト」が増えました。
そして、秦野駅から小田急線に乗って2駅、鶴巻温泉まで戻り、駅前の日帰り温泉「弘法の湯」で汗を流して、桜色の一日の〆は・・・秦野そば!
鶴巻温泉駅の近くに見つけました、ここ。こんなお店が自宅の近所にあったら行きつけのお店にしたくなる、美味しいお蕎麦屋さんでした。
山で出会った春の花。
桜の下では春の花が花盛り。山吹色のヤマブキ。木々が芽吹く頃、ヤマブキが新しい緑に華を添えてくれていました。
こちらは、灯台躑躅(ドウダンツツジ)という名前だそうです。とても可愛らしいツツジ、「満天星躑躅」ともいわれるそうです。白いお花が咲きほころぶ様子が満点の星空のようだから。もしかして風に吹かれると美しい音を鳴らすのではないかと耳を近づけてみましたが、ほのかな香りが応えてくれました。
都心に戻ると、桜の木はもう葉桜。。いよいよ季節が進みます。
今年の桜は花を終えて真新しい葉っぱを育てる季節となりますが、どんな季節にもずっと桜は桜で居てくれます。この春、新しいチャレンジを始められた方も、変わらず春を迎えられた方も、この春が素敵な季節でありますように、また一日一日を大事に過ごしていけたらな!と思います。