神が織りなす錦繍の絨毯「栗駒山」

紅葉の山

なかなか涼しい秋が下りて来てくれなくて、下界では真夏日のまま10月突入となりましたが、山にはちゃんと秋が色づいているってことを夢に見ました。それはTVのニュースで「今年も栗駒山が色づき始めました」との情報を耳にしたからかもしれません。

栗駒山は、穂高の涸沢と並ぶ日本屈指の、いや日本一とも言われる山岳紅葉の名所です。もちろん以前から知っていたのです「栗駒山」のこと。でも毎年、東北か~宮城か~遠いな…この時期ガッツリ休めないし…と思っていました。だけど、コロナで山行を控えている間に私の足はあちこち故障してしまい、もういつまで歩けるかわからないし…。

何気なく調べてみたら、え~!東京から日帰りできるんだ!てことは、明日でも行けてしまう!?💦

お天気に恵まれた10月2日の日曜日、思い立ったら吉日、ヘッポコ夫婦で揃ってピュ~と宮城まで行って参りました。

すると、もう、言葉ではとても言い尽くせぬほどの素晴らしい錦繍の山「栗駒山」が待っていてくれました。

ということで、栗駒山紅葉レポート🍁です。

道中ず~と撮影していたと言っても過言でないほど、見たことのない景色を、たくさんたくさん収めてまいりました!

栗駒山は、奥羽山脈のほぼ中央に位置し、宮城・岩手・秋田の三県にまたがる東北の名峰(標高1627m)です。

東京からは朝7時過ぎの新幹線で「くりこま高原」駅まで約2時間。紅葉シーズンの週末だけは「くりこま高原駅~登山口いわがみ平」まで(所要時間1時間強)紅葉バスが運行されています。行き帰りのバスは、それぞれ一本/日ずつなので、絶対乗り遅れないように、朝6時に家を出て、イザ出陣。

登山コース(中央コースのピストン)の標準所要時間は往復で3時間(休憩やカメラタイム入れて4時間)と、足腰に負担が少なく気負うことのない気軽な登山でもあり、ちょうど下山すると帰りのバスが待っていてくれているという、至れり尽くせりの山行です。

色んな登山コースがあり、本当は沢歩きもできる周回コースを歩きたかったのですが、バスの到着から帰りの発車時刻まできっちり4時間しかなくて、しかも行きのバスが少々遅れたりしたことで、「中央コース」という、一本道のピストンコースを歩くことにしました。

登山口の「いわがみ平」は標高1100m。頂上との標高差500mです。とてもきれいに整備された登山道では、紅葉ベストシーズンの日曜日とあって、多くの人が列をなして登って行きます。

最初は、低木の木々に囲まれた登山道です。登山口あたりの紅葉はまだこれから。近ごろでは、足腰の負担軽減のため、やせ我慢せずに最初っからストックを使うことにしています。よいしょっ。

10月とはいえ、気温の上がったこの日は、額から汗が流れ落ちますが、3-40分ほど頑張ると、この絶景~!

ここからは何度も足を止めることとなり、この先はずーーっと、この錦繍の絨毯の中を歩いていきます。

ゆったりとした穏やかな山容の山肌に、紅葉、黄葉、褐葉が同時に進み、ハイマツの緑との絶妙な組み合わせ、この配色の妙が日本屈指といわれる所以でございます。

あのちょっとだけ尖った先が山頂です。ここから1時間弱。

たったの40分ほど歩いただけで、この絶景を目の当たりにできる、こんな山はなかなか他にはございません。とってもたくさん老若男女のハイカーさんたちが歩いていました。

いやもう、ちょっとどうする神様!?山紅葉は真っ赤っか。

足がピタリと止まってしまって、ひたすらニヤニヤするばかり、となりました。

見て下さい。登山道はこんな道。ここなら安心して歩けます。神様が広げてくれた絨毯は、それはそれは温かく心地よいものでございました。

えっ、また立ち止まる!?

だって、もったいないじゃん。今、目に焼き付けてるところ(^^;)v

地元の方のお話では、今年は猛暑と雨で例年より色が悪いのだそうで、赤くならずに傷んでしまった葉っぱも多く見受けられましたが、それでも、そんな葉っぱのおかげか、やさしい錦の色合いが心にしんしんと沁みました。

ほら見て。これを「神様の絨毯」と呼ばずして、何と言う?!

絨毯の間を縫うように、尾根道の登山道が続いています。

そして、あっという間に、この上が頂上です。ちょっと渋滞中。

栗駒山山頂1627m。アラカン山ガール。今日も元気に登頂です(^^;)

頂上は人がいっぱいなので、少し反対側の登山道(須川ルート側)へと進み、絶景ポイントでお昼ごはんといたしました。

栗駒山は火山です。なので、登山道須川ルートの先には温泉が湧き、ほのかな硫黄の香りが立ち昇ってきていました。

それにしても、素晴らしい。神様にしか織りなすことのできぬ絨毯の美しさ!ヘッポコの私たちは神様に失礼がないよう、二人並んでお行儀よく座り、あっおにぎりをうっかり🍙転がしつつも、感動しきりのひと時を礼儀正しく過ごさせて頂きました。

11時10分に登山を開始し、登頂は12時50分ごろ。帰りのバスは15時発なので、13時30分には下山を開始せねばなりません。なにせカメラ休憩が多いもので💦

え~まだいいじゃん。ダメだよ。ほら、みんな下山開始してるよ。みんなバスに乗るんだよ。

わかった、下りるよ。。。てなことで、仕方なく下山開始。

登りよりも人混みが解消されて、頂上からの階段もスイスイ。

しかし、目は足元よりも、絨毯へ。足元を見ないと、また靭帯切るぞ、骨折するぞ!と脅されて、ゆっくりトコトコ。

ナナカマドの真っ赤な実。

だめだ。美しすぎる。また足が止まり・・・。

ついでに記念撮影✨

あまりにも美しすぎて、ヘッポコな私たちだけの体験では、とてももったいなく、申し訳ないほどです。ぜひ、この素晴らしい絶景を、せめてほんの少しだけお裾分けさせて下さいませ!

一歩ずつ下りながら眺めたこの景色、ぜひ、ご一緒に👋

いかがでしょう~。できることなら皆さまの目にも、実際のこの景色をご覧に入れたい!

景色だけじゃなく、体じゅうを包む心地よい秋の空気も、広い空も、カサコソとおしゃべりする葉っぱたちのささやきも。

絶対に忘れたくない、忘れられないこの世界、この瞬間を、瞼の裏にも焼き付けようと思いました。

そして、誠に名残り惜しいのですが、午後2時30分。バス発車まであと30分。いよいよ低木紅葉アーチの登山道へと戻ってまいりました。登りでは人混みと渋滞で味わえなかった花道でしたが、下山は心地よく、今日という時に感謝して、踏みしめてまいりました。

なんと、この秋初めてお会いする赤とんぼ。これからもっと赤くなるのでしょうか。。。

この度は、やや強行軍ではありましたが、なかなかやって来ない秋を迎えに、東北まで足を伸ばしました。すると、ちゃんと神様が今年を彩る絨毯を織り上げてくれていました。

息を飲むような神業に、ヘッポコ揃って感謝感激しまくって、帰りの新幹線では夢の中にも絨毯を広げ、心に秋をしみこませ、安心して帰路につきました。

まもなく、この下界も錦の色に染まる季節がやってまいります。近くの山や森の神様も、そろそろ夜なべして、大急ぎでそれぞれの絨毯を仕上げ初めてくれるはず。

そんな秋がまた今年もやってまいります。

一年で最も美しい季節でもあり、私たちの秋のお洒落も神の恵み、と思うと気持ちがほんわかいたします。

もう間もなくです。どうぞ素敵な秋が舞い降りますように。