夏休み!霞わたる「霧ヶ峰」

渓谷と夏山
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今年の我が家の夏休みは…ヘッポコな相棒の変則的な夏休みのせいでレジャー計画が立てられず残念な夏なのですが、とはいえ、趣味のヘナチョコ山歩きを諦められずに、やっぱりサクッと山へ!

猛暑の夏でございましたが、高原の山ではそろそろゆっくり季節がめぐり始めていました。

しののめの 空霧わたり 何時しかに
秋の景色に 世はなりにけり
(紫式部)

きっと訪ねられたご経験のある方もとっても多いかと思いますが、ここは八ヶ岳中信高原国定公園、素敵なドライブコース「ビーナスライン」に沿ってなだらかな起伏の美しい霧ヶ峰「車山高原」です。

標高1925mの主峰「車山」からは雲海に昇る朝日に出会うことができ、そして爽やかな高原ハイキング!これが今回の目的です(^^)

しかしでも、霧ヶ峰と言えば・・・年間200日以上、多い年では298日も霧に包まれるという山。よほど運が良くないと無理かもよぉ~。

なのにヘッポコときたら・・・この日しか行かれない!しかも、どうしても縁起をかつぎたい、運だめしをしたい事が近々にあるのだというわけで、仕方なく。というか、でもそれってもし日の出が見られなかったら・・・(>_<)しかし猛烈なノー天気俺様のヘッポコときたら、僕の空だけはたぶん晴れる☀そう思っていたのだろうと思います(^^;

とりあえず、朝日を見るためには日の出の時間に頂上に居なければなりませんので、前日に登山口「車山肩」駐車場にピットインすることに。そして歩いたハイキングコースはこちら。今回は山登りというよりもお散歩ハイキング、ビーナスラインのドライブから、お気楽気分でLet’s go!(*^-^*)

前日の夕方のビーナスライン、霧が出ていたものの、まずまずでしょうか。

高原だ~ウキウキ♪車を置いたら少し歩いて、夕陽や星空を眺めながらお外で夕ご飯を作って食べよう!そう思いました。

しかしあっという間に霧どころか雨が降ってきてしまいました。おお~さすが霧ヶ峰、キタね~!とまだまだノー天気俺様(>_<)、仕方なく夜を過ごす車中にてほろ酔いになって早々に就寝。

朝4時。この時は満点の星空も見えました☆彡身支度を整えて、暗闇の中ライトをつけてイザ!目指せ朝日☀です。朝はとっても寒くて真夏とは思えないほど。避暑にはピッタリね!なんて!(^^)!

夜が明けてきました。目指す山頂まで「車山肩」から約40分。「肩」とは頂上を「頭」とするとちょうど肩のような部分という山用語です(*^^)v

しかし明るくなってきてようやく知るのですが、もしかして霧の中!?

そして・・・(+_+)

言わんこっちゃない!もしやあれは車山頂上の「気象レーダー」ではないか?あっという間に頂上じゃん。

そういえば、車山頂上へは、車山高原スキー場からリフトが早朝運転をしており、登山をしなくても雲海朝日に会えるのだそうで、観光客の皆さまもチラホラ。

霧雨の中、ここ、頂上です(-_-;)v

頂上に鎮座する「諏訪大社」の分社「車山神社」。辺り一面ブルーグレーの世界に包まれました。寒い!

本当は日の出は朝5時。あっちの方から日が昇るハズでした。なのに、お日様・・・どこ!?

山頂リフト乗り場に避難所の建物があり、しばしその中で、落ち込むヘッポコと共に恨めしい霧雨空を眺めることになり…。観光客の方々は早々に山頂をあとにされて空っぽのリフトが空しく回っていました(>_<)

しかし!ここで諦めてはならぬのです。霧だから雨だからと諦めていては明日はない。何しろまだ朝の6時だ!人生はいや一日はこれからなのだ。霧は晴れずとも雨が上がり、しぶしぶ腰を上げるヘッポコを励ましつつ、予定通りのハイキングへと足を進めることにしました(^^ゞ

霧、だ。しかも、だから?もしかして車山高原この界隈はしばし二人占め(^^;)

整備されたハイキングコースで道迷いもないことから、元気を出して歩きましょう。

あっ、ああっ、太陽だ!!霧の向こう側から太陽が照らしてくれました。ヘッポコカメラはひたすら太陽を追いかけます(^^ゞ

霧わたる空の隙間から太陽の光が差し、雨に濡れた草木を照らし、幻想的な景色が広がりました。

車山高原の山「蝶々深山」。

だめだぁ~また霧だぁ(-_-;)って、あっという間に空模様が目まぐるしく変わります。

もぉ~イイじゃん!霧なら霧で(^^♪スキップして行こう~ネ!

あっ!太陽、キタ~!!

といちいちうるさいヘッポコですが、風に吹かれる霧の合間からたまに顔を出す太陽のありがたいことと言ったらありません。

清々しい高原と青空です。気持ちだけはうんと晴れ晴れしてきました。

何とか私たちを励ましてくれようと一所懸命なお日様に感謝!どんな事も、きっと最初から最後まで“残念”で埋め尽くされることなんてないよね、きっと。青空バンザイ\(^o^)/

高原の夏の花ヒヨドリバナもお空を仰ぎます。

この間すれ違う人もなく、お空も大地も、もったいないぐらい、気持ちの良い高原歩きです。都心の人混みがとても苦手な私には、こんな時間が大変に貴重でとっても楽しいです。

突如出現する岩「物見岩」。

雨が上がってよかったヽ(^。^)ノ

一瞬ですが信州の山並みが姿を現してくれました。

樹林帯に入り「八島ケ原湿原」を目指します。お日様が出ると木陰がありがたい夏です。

八島ケ原湿原へのゲートをくぐります。植生保護のための鹿よけゲートなのだそうです。もしかして夜中に鹿さんがゲートよじ登り競争をしてたりして・・・(^^;)

そして湿原へ!この秋生まれたばかりのススキが花道を作ってくれます。

八島ケ原湿原「鎌ケ池」

湿原はさまよう霧を受け止める懐深い器のようです。

湿原をぐるりと巡る木道が整備されています。

木道脇は夏~秋のお花畑。イエイ(^^)/

霧のおかげでお空が真っ白になったり青空が覗いたり、広大な湿原に心の扉も全開です(*^-^*)

こんな道、大好きです(*^^)v

時々お日様が顔をのぞかせるとやっぱり夏。日焼け必至のお散歩道ですが、木陰歩きが爽やかです。

うふふっ(´∀`*)

お花畑も夏から秋へと移ろう頃となりました。

あっ、また霧だ(>_<)

おいおい、ここは「霧ヶ峰」だよ!僕たちは気に入っているんだ。若いススキが笑っていました。

みるみるうちに霧が下りてきます。

ゆっりゆっくり。思えばまだ朝ですもん(^^;)

高原のお花たちは気持ちよさそうに季節の風に吹かれていました。

素朴でどこか懐かしく、気負わず自由に、誰が見ても見なくても、咲きたい時にここに咲くのでしょう。なんだか羨ましい。

雨の中をスタートしてかれこ4時間、朝日に出会えなかったことなんて、もうどうでも良くなりました。

「ヒュッテみさやま」

テクテクお散歩を続けているうちに山小屋を見つけました。そうそうここでブランチしようと思っていたのでした。午前10時開店ということで、ゆっくり待つことに。

お外のテラスで自家製野菜カレーときのこピラフを頂きました。沢の水音、木々の葉音、小鳥のさえずり、とても素敵な山小屋でした。いつか泊まってみたいです。

のんびりご飯を食べてから車山に向かってお散歩再開。

山道を登って車山肩へと戻る最中、みるみるうちにお空が曇って雨が降ってきてしまいました。ゴールまで後10分。ここまでお天気がもってくれたことにも感謝です。

帰り道、ビーナスラインから望む白樺湖。

夏の思い出の〆には、湖畔の日帰り温泉「すずらんの湯」で身も心もさっぱり。イ~イお湯でした(*^-^*)

本日は長々と霧中散策にお付き合いを下さりありがとうございます。

残念ながら我が家のヘッポコ相棒運だめしは早朝に挫折を味う山行となりましたが、毎回手前勝手な人生訓を得ている私たち、今回は・・・(^^;)

私たちの毎日は何しろせっかちで時間もなくて実力もなくて、そのせいか一瞬に生まれる劇的な奇跡を求めがちだったりします。でもそれよりも、晴れたり曇ったりと移ろう空、何ともならぬ気ままな雨風、それでも照らしてくれる太陽がいて、どんな日も自由きままに可憐にたくましく草花たちが咲く。

つまりその(^^;)長い道中は色んな景色に彩られているもので、そんなささやかな瞬間を集めてゆっくり歩いて行くことの方が、もしかすると本当は心地の良いことなのかもしれません。

だから相棒よ!奇跡は長い目で、納得できる実を結ぶその時まで、焦らずゆっくりコツコツと、また一緒に歩いてまいりましょう(*^-^*)

いつかまたきっと、素敵な朝日が昇るまで!