雨に濡れるコマクサです。
高山の花コマクサは今が見ごろ。
北アルプス燕岳頂上周辺はコマクサの花畑です。
今年の夏は、東京では連続18日雨の日更新中という何とも悩ましいお天気の夏です。
お天気予報は雨ばかり、そんな日に海や山へ夏の計画を決行するかどうか?なんて悩まれた方も多いかと思いますが・・・どうします?我が家も大いに悩みました!
雨でも山に登るのか!?
ということで、この度は、雨の中も決行いたしました山歩きレポートです。
今回は北アルプスの女王「燕岳(つばくろだけ)」(標高2,763m)。万年山初心者ヘッポココンビの山歩きですが、燕岳はとても優しい美しい山です。(晴れていれば)山頂下の美しい稜線、山頂からの大展望は申し分なし、人気の山小屋にも期待の膨らむ素敵な場所のハズ!
しかし、連日の雨予報!
ホントに
雨だとわかってても山に登るのか!?
実は出発の前夜まで山の天気とにらめっこ、今回はお天気のことも考慮してチャレンジ登山を止めにして、別荘テントも諦めて、山小屋泊を予定していました。
山小屋って登山者サポートの観点から予約キャンセル料などはかかりません。さらには予約なしでも泊まることもできるのですが、とはいえ予約してね!そういう場所なので、前夜までキャンセルするか行くか!?議論となりました。
でも…行かない!なんて夏休みは寂しすぎる、とにかく麓までは行ってみよう!
最終的に燕岳を選んだ理由は、荒天でも歩きやすそうな登山道、さらには候補の山の中ではお天気に期待ができる可能性がかすかに見えたからでありますが・・・さてどうなるやら。
燕岳登山コースはこちら。
登山道はとても整備されていて、多少の急坂はありますが、過去経験した山に比べると(晴れていれば)随分と歩きやすいように思います。小屋などのサービスも充実、ファミリー登山も楽しめる、楽しい山です。
登山予定日前日は、頂上の山小屋が運営する麓の山荘「有明荘」に宿泊しました。長野県安曇野市中房温泉です。中房温泉は海抜1,400mに位置する秘湯、登山者ばかりでなく、温泉ファンにも人気の場所です。気持ちの良い露天風呂もあるのですが、なんとまぁ、雨の中の露天風呂を堪能することとなりました(^^;
すでにその時点からお天気予報は最悪の状況を呈してまいりましたが、山荘の女将さんのお話しでは・・
雨の山もまた一興ですよ!
雨の日だってありますよぉ~
自然も何でもそうだけど…
晴れの日ばかりじゃないですからね
雨の日しか味わえない体験がそこにある(^^)
ごもっとも!
そういう言葉に弱い私たちヘッポコ(^^;
そうそう、私たちには雨が似合う?ってヤダ違うよ!そうじゃなくて打たれ強いのよ、きっと私たち(-_-;)という、どうでもよい慰めあいをしつつ、もう腹を括ろう!と気合いを入れる朝。
しかしその決断が・・・
後に素晴らしいサプライズご褒美となるのですが
その奇跡の体験はもう少し後のこと(^^;)
まずはとりあえず、早朝に身支度を整えて
標高1,462mの登山口からスタートです。
雨・・降ってる。でもゴアテックスのレインを着ると猛烈に暑い。何しろのっけからの急坂登り。レインを脱いで、もうどうにでもして!ということで、雨を感じながらの登山開始です。
でも、森のおかげで、雨の直撃を免れて、優しい木々の傘の下の登山開始となりました。汗なのか雨なのかわらかないけど、早々にずぶ濡れ(^^;)
この日は頂上の山小屋「燕山荘」(標高2,704m)に宿泊予定のため、登る標高差は1,313mです。標準タイム約5時間。うっ...5時間雨の中かぁ~。
お日様は見えないけれど、幻想的な雨の森は、なるほどそれはそれで、包み込まれるような癒しを感じさせてくれなくもない。うん(^^;
さすがにとても良く整備された登山道です。30-40分おきにベンチがありますが、ずぶ濡れで休憩もままなりませぬ。しばらくすると泣き言を言い出す私。。
思えばさ前にずぶ濡れ登山して熱出たじゃん私、どうしよぉ~。
いや大丈夫、頂上山荘には診療所があるんだ!
えっ、そうなの?
うん、それにそれ冬でしょ!?今、夏だし!
そ、そうなんだぁ・・・(>_<)
わかった、歩くよ!歩こう!
この葉っぱ、何て名前だろうね?雨がコロンコロンの水滴となって、とっても美しい。なるほど、雨ならではの美しさです。
整備されていますが、考えてみれば標高差は1,313m。登坂が続きます。リュックだけは雨カバーをして守らなきゃ!
北アルプス上の山々は、火山ではない山がほとんどだそうです。北アルプスが隆起した理由は多くの説があるようですが、火山噴火で山が高くなるのと違い、一説として、地下の花崗岩マグマの上昇によるものと言われているようです。
登山中にヘッポコ相棒が、この岩触ってみて、と不思議に興味を示すので、仕方なく触ってみる。
頂上にはその花崗岩がゴロゴロしているのですが、ここもその花崗岩?なのでしょうか?
雨のため、被写体が私ばかりになり恐縮です。撮影が進まず先を急いで、約3時間ほどで中継点の「合戦小屋」到着です。
やったぁ~休憩休憩そして早目お昼ごはん!
北アルプスのオアシス合戦小屋!
ここではスイカが名物です
登山口から合戦小屋までは荷揚げケーブルがひかれていて、毎日たくさんのスイカが到着!なんと素敵な計らいでしょう~!さすが北アルプス!燕岳!!
こんな美味しいスイカは食べたことがありません
今回歩いた燕岳の「合戦尾根コース」は三大急登の一つとされています。標高差1,313mに加えて勾配がキツイことでそう呼ばれているようですが、登ってみるとさほどでもありません。登山道が整備されているせいでしょうか?アルプス入門編としても愛されるコースです。
しつこいようですが(晴れてさえいれば)気持ちの良い山歩きの楽しめるコースだなと思います。
高山の花「ウサギキク」
いつも笑顔が可愛い花です。
雨の日だって笑顔。
頂上下の燕山荘まであと1時間半!
元気を出して先を進みましょう。
木の葉の下で雨宿り。
だよね(^^;
合戦小屋を過ぎると森林限界を超えて、ハイマツと花崗岩の稜線歩きが始まります。晴れていれば美しい眺望が期待できる稜線歩きのハズですが、森を抜けてしまい雨が直撃(-_-;)
燕山荘下のトリカブトの群生です。花の山としても有名な燕岳は、夏の花盛りです。
おっ!小屋が見えてきました!
早く屋根の下に入りたい!!
どこに力が残っていたのか駆け足でチェックイン
今宵の宿です。
お部屋は2段ベッドのようになっていて、よくある山小屋の大部屋とは少し作りがちがいます。一区画に畳3枚、敷布団3枚で3人定員ですが、繁忙期は4人5人で寝るのだそうです。しかしこの日は、荒天予報のためか、一区画2人で独占。カーテンを引けばまるで個室です。ラッキーでした!
燕山荘は歴史も古く、北アルプスの中でも人気の高い山小屋です。なんと2,700mで水洗トイレあり、しかも綺麗、喫茶室もあり飲食メニューも豊富、(お世話になることはありませんでしたが)診療所もあり安心、ずぶ濡れのウェアは乾燥室で翌朝にはほっこり。なかなかに快適で素敵な小屋です。
階段のステンドグラスのライト、鏡の森永チョコレートの文字もレトロで情緒たっぷりです。
まずは濡れたウェアを脱いでさっぱり!
そして、駆け付け一杯でカンパイです♪
雨も激しくなり・・・
夕食まで時間もあり・・
そうだ!
ケーキ!!
辛党の私は日ごろは滅多に食べないのですが
ここでは何と美味しいのでしょう!
幸せな甘さがしみわたります。
ホントはこの足で燕岳登頂を目指すはずでしたが、雨が降りすぎて明日へ先送りで小屋でダラダラ過ごすのもまた楽しっ(*^-^*)
そういえば燕山荘は、北アルプス「表銀座コース」といって、北アルプスの王「槍ヶ岳」までの縦走路のスタート地点でもあります。女王様「燕岳」~王様「槍ヶ岳」までの表銀座コースです。
でも・・・槍ヶ岳も、北アルプスの山並みも、見えず(´;ω;`)とりあえず、霧雨の中、記念撮影。
あ゛~あっちが燕岳の頂上方面のハズ、見えませんが・・・(>_<)
燕岳は高山のお花たちにも愛される山。雨の中でも夏のお花は色とりどりに咲き誇っていました。
高山植物の女王といえば「コマクサ」。ここ燕岳はコマクサの群生地としても有名です、7月8月は美しいピンク色の花が咲き乱れます。しかもとてもたくさん!あちらこちらに群生しています。
厳しい高山の砂礫地に咲くコマクサは生命力がとても強く、花言葉「高嶺の花」に見合わず、よく見るとなんとも可憐なお花です。
雨に濡れるコマクサ
しっとりとした瑞々しさがとても色っぽい
高嶺の花。
ここから「表銀座コース」のはじまり。
ここまで来たら、ちょっと行って来るよ!
いや、もうご飯ですよ!!
そうなんだ、残念(^^;
では、この次ネ♪ということで。
コマクサだけじゃない!
私も咲いてます。
グレーの空に黄色いお花は良く似合う。
元気の色。
夕食はボリューム満点です。
山ではダイエットは厳禁!!
山に来たら太って帰らなきゃだめですよ!
そんな忠告をされてしまいました(>_<)
完食。
夕食時間には、燕山荘オーナーのお話会とホルン演奏があります。聞いてはいたけれど、ホルン、初めて生で見ました聞きました。しかも本当に心地よい音を聞かせて下さるのです。
残念なお天気ですがガッカリしないで下さいね。自然には一つとして同じものはありません。草木はもちろんですが、同じお天気の日は二度とないのですから、この雨もぜひ楽しんで欲しい。そんなお話をお聞きすると、これはこれで、良い体験だったかも、なんて心も自然となごんできました。
そして、食後のデザート!
燕岳オリジナルワインを頼みました。
ビール飲んで、ケーキ食べて、ボリューム満点の夕ご飯食べて、〆にワイン!フルコースです(^^;
何にも見えなくても、この先にきっと素敵な世界があるのかと、期待や想像を膨らませての山の晩酌も、それはそれで・・・良いかもしれません。
小屋のスタッフさんたちが何しろ親切で朗らかで、ワインを持ってきてくれて、「楽しんで下さいね!」笑顔で声をかけて下さって、親しみ深い嬉しくて楽しい夜でした。
おぉ~い!女王様!!
会いに来ましたよぉ~!
贅沢は申しません。でも、もし気が向いたら、ちょっとだけお姿を見せて頂けませんか!?ちょっとだけで良いのです。決して無理は申しません。でももしできるなら、明日、女王様の頂きにご挨拶にお伺いしたいです。会いに行かせて頂けませんかぁ~♬ちょっとだけ・・。もしできるなら、お願いしま~す!
天気予報は相変わらず絶望的ではありましたが、もうここまで来たら、とりあえず今日は寝て、明日は明日の風が吹く。
小屋の消灯時間は21時。あっという間に眠りについて、夢の中ではホルンの音色が聞こえていました。
すると、夜中のこと
ヘッポコ相棒がトイレに起きて転げるように戻ってきて、私を激しく起こすのです。
起きて起きて!!
どうしたの??
大変だぁ~!
そ、そ、外、満点の星空に月が出てる。
早く、上着着て!!外行くよ~!!
えっ、、ホント(◎_◎;)
そうすると・・・
み、見たことのない満点の星空☆・.・☆
みんなを起こさなくて良いのかな?
残念ながら、撮影は力量不足でできませんでしたが、星がとてつもなく大きいんです。天の川も見えました。凄い凄い満点の星空が広がっていました。雨どうなったの?止んだ・・・マジですか?
それは深夜2時のこと
日の出まであと3時間
ということは・・・まさか奇跡が起きる?
きっと起きるよ・・・
今度もっと良いカメラ買わなきゃネ!
もう一度毛布に滑り込みひと眠り
夢の中でも満点の星空が広がっていました。
翌朝
それがもう
信じられないことなのですが・・
女王様が小さな願いを叶えてくれました。
その奇跡のサプライズは翌朝へ
つづく。。。
絶景のはじまりです!(^^)!