あけましておめでとうございます。新しい年がはじまりました。
ここ数年のお正月は毎年「富士山の見える山」で、夫婦そろって年始めのご利益を頂きに行っております。初詣ならぬ富士詣で!
今年は、周辺の山では最も富士山に近い(距離15キロという至近)にある、山梨県「足和田山」(標高1354m)を歩いてまいりました。
新年スタートは大変に美しい晴天の青空が続き、ありがたいやらもったいないやら、神々しいばかりの素晴らしい富士に会うことができました。最初から最後までずっと富士さん!いや「富士さま」とお呼びしたい!しかも道中ほとんどヘッポコ相棒と貸切で、とっても素敵な山歩きでございました。
どうぞぜひ、ちょっぴりそっと富士さまパワーを感じて頂けましたら嬉しいです。
初空にうかみし富士のうまし国(虚子)
(今回歩いたコースはこちら)
足和田山は富士急行河口湖駅からバスで20分ほどの場所に登山口があります。今回は左(紅葉台入口)から右(足和田山山頂)~大田和(一本木)に向かって歩きました。全コース東海自然道なので、歩きやすく道迷いもなし。
右から左へ歩く?左から右?う~ん…足腰に不調を抱えるアラカン山女の私がうんと吟味した結果、地図左下の紅葉台入口からであれば、頑張らなくても良いのんびりとしたハイキングができそうで、山頂までほぼ全道中ずっと富士さまが見守ってくれる、ロケーションと登山道、ダブル良しなのかな。
というわけで、紅葉台入口より2023年の初歩きにまいります!お時間がありましたら、どうぞお付き合い下さいませ。(所要時間:休憩とランチタイム&撮影タイム込みで約4時間/累積標高479m)
ではでは、はじめの一歩、元気にLet’s go❣
実はあろうことか(私がしゃべり続けたせいとヘッポコ相棒が申すのですが?)で紅葉台入口バス停で気づかず降りそこなって、2駅も通過してから気づき、車道を歩いて戻るという余分な労力を必要としてしまいましたが、山道は俄然ゆるやかで、早速にも富士さまのお出ましです。
スタートは午前10時。雲一つない青空に輝かしい太陽、富士さまをとらえると、足取りが軽くなる。
約30分ほどゆっくり登ると「紅葉台」到着です。「紅葉台レストハウス」という、ほぼ山小屋のような施設があり展望台になっていました。(ここまでなら車で来られるるようです)
とても親切な山小屋の女将さんが「今日はすごい良いお天気よ、楽しんでね」と声をかけて下さり、展望台に上がると、その通り、絶景富士さま❣
毎年色んな山から富士さまに新年のご挨拶をしていますが、ここはすごい!こんな至近距離で、こんなロケーションで富士さまの全景を拝むことができたのは(もしかして)初めてかもしれません。
わぉ(#^.^#)
展望台は360度ぐるりと眺望が開けています。
富士山に向かって右側には南アルプスの山々。
富士山の次に高い山「北岳」「間ノ岳」、冠雪の山並みが青空にくっきりと浮かび上がっていました。
おっ、樹海の先に、日差しを浴びて鏡のように輝く本栖湖!
富士山の対面には、深い豊かな碧色の西湖が佇んでいます。
ぐるっと一回転して、また富士さま。眩しい逆光のため、冠雪が真っ白には写りませんが、裸眼では白銀をまとった姿が何とも愛おしい。
富士山は不死の山。
かの「竹取物語」では、「かぐや姫」が天上へと戻る時、心を寄せた帝との別れ際に不老不死の秘薬を渡したとされています。しかし帝は「逢ふことも涙に浮かぶわが身には 死なぬ薬も何にかはせむ」と、天上に最も高い山の山頂で秘薬を燃やしてしまいました。以来、「ふしの山」高じて「富士山」と呼ばれるようになったのだとか。
展望台の女将さんにお礼を言って、さてハイキングを続けましょう。
道中霜柱の立つ場所もあり、年末年始の雪が残る場所もありました。が、総じて歩きやすい登山道です。
紅葉台レストハウスから、ものの15分ほどで「三湖台」到着です。
さらに富士さまに近づいた、そんな気分になるほど、この道中で最も心に残る場所でした。広い原っぱのような空間にベンチやテーブルもセットされていて、ここでランチタイムにいたします。
ウッドデッキもあり、ここからも青木ヶ原「樹海」の名の通り海原のように広がる樹林帯、南アルプスの絶景。
西湖がもっと間近に碧い湖面を静かに横たえていました。
むむむっ。ヘッポコは何を見ているのだろ?まさかの樹海?いやいや以前に登った北岳の雄姿?
なぁ、青木ヶ原樹海って歩けんのかな?
えっ、歩きたくないですけど(^^;)
とにかく、空は快晴!
この景色を見ながら、お湯を沸かしてラーメンを作り、おやつを食べて果物を食べて、とにかく、だぁ~れもいないのでこの世界を二人占め。
満腹です♪では、さて、恒例の富士さまとの2ショット撮影タイム!
どう?
富士山と背比べやってみな!
どう?
いや、まだ足りないわ
じゃぁ〜どっこいしょっで、🐰ジャ~ンプ♪
どう?
おっ、いいね、うさぎの後ろ足😅
富士さまが笑ってる。
日差しの中の枯れススキが黄金色に揺れていました。
富士さま、我々は東京都在住の野村〇〇と〇〇〇です。本年もどうぞよろしくお願いします!
って。。。(>_<)
ちょっとやめて、恥ずかしいよ
大丈夫だよ、誰もいないじゃん
「はいっ」て頷いてくれたよ
うそ
ホントだよ、首を右にちょこっと傾げた
それって「どうかな」って意味じゃないの?
違うよ、富士山の都合上前には傾げないからさ
都合上?
うん、都合上!
ヘッポコの戯言はほっといて、次の目的地、足和田山山頂(五湖台)を目指して「行くよ」!
三湖台から五湖台までは、およそ1時間の道のりで、東海自然道が続きます。こんなに歩きやすい山道です。
枯木の間から道中左側には「西湖」。
右側には「富士さま」。
青空、太陽、墨絵のような木々の合間から富士さま。
何度も立ち止まってしまう。そして何度も写真を撮りたくなってしまう。長い道のりとなりました💦
自然道は落葉が降り積もり、ふかふかの絨毯が敷き詰められたようです。
こんな染め帯があったら、どうかな(^^;)?
とにかく、ず~っと富士さまと一緒に歩く、休憩ポイントばかりです。
不思議なもので、何も遮ることのない富士の姿も荘厳で美しいのですが、こうして垣間見える富士さまの頂にも感動しきりです。
もし絵が描けるなら、こんな絵を飾りたいかな。
ようやく、足和田山山頂(五湖台)到着です。
さきほどの三湖台より少し標高が上がり、より富士さまの雄姿が美しく見えます。
この日の青空は、富士さまのために青いのかと思うほど。空にも富士にも新しい年にも、心より感謝したくなりました。
ここから見えるのは、河口湖です。西湖の碧よりも明るくて、ターコイズブルーの湖面がやさしく煌めいていました。
富士さまに抱かれて、どうか今年も笑顔で暮らしていかれますように!!
さて、帰りのバスと電車の時間が気になり始め、ここから一気に大田和(一本木バス停)へと下山します。
全道中、木陰の道には雪が残っていたりして、都心の平地とちがい気温はとても低いので、空気が冷たくて美味しかったです。
実はこの下山道、かなりの急こう配でもありました。ここに来て、やっぱり紅葉台から歩いて良かったと体感することになり、新年の日差しに後押しされて、ひたすら下る。
とはいえ、整備された自然道に迷いはなくて、時折感じる富士さまの眼差しに守られて、ほどなく降りてまいりました。
今年2023年は、お店にとって、私自身にとっても、大きな区切りの年となる予定であります。何かを区切ることはとても不安で、年末年始もあまり良く眠れぬ年越しを過ごしてしまいました💦
でもこうして富士さまと一日一緒に過ごしますと、区切りは終わりではないのだよ、人生はずっと続いていくだけなのよ、登ったり降りたり休んだり、ずっと続く見知らぬ道を今年も大きな何かに守られて歩いて行けばいいのかな。
富士さまは「うん」って頷いてくれるかな。
手前勝手なことでありますが、そんな風に背中を撫ぜてくれた、青空と太陽と森の木々にも心より感謝して、新しい年を始めさせていただきたいと思います。
帰りの電車、富士急行は可愛いペインティングの列車でした。
どうか、朗らかな一年となりますように、よろしくお願いいたします。