燃える紅葉(川崎市「生田緑地」)

紅葉の山

年末までに色んなことを片づけなくてはならなくて、とても忙しい日々を過ごしてまして💦、なかなか「登山に行こう!」という計画も立てられないし、そんな気持ちになれないのです。と言うと、遠くの山もいいけれど、川崎に生田緑地ってところがあって、紅葉がきれいだしハイキングもできますよ。そう教えて下さった方がありました。

生田緑地?…行ったことがないなぁ。しかし思えば、そこは川崎市多摩区、ななんと、都内のわが家からはマイカーアクセス3-40分という近場ではないですか!ということは、朝5時に起きなくても、ある日ある朝、あっ行ってみよっ、なんて気分で行けちゃうのだと知りました。

というわけで、12月に入っても暖かな気温が続く日曜日、行ってみる?!ってこととなり、もう紅葉は遅いかな?なんて思いつつも、いつものヘッポコ相棒にサクッと車を走らせてもらって30分、到着しました生田緑地!

訪ねてみると、いやもう、見たことないほどの真っ赤に燃える紅葉、オレンジ色に輝くメタセコイヤの林。ハイキングというよりは、ちょっと長めの散歩を楽しんで、岡本太郎美術館で改めて岡本太郎を再発見し、日本民家園ではタイムトリップ体験までして、初冬の一日を過ごしてまいりました。

広大な園内は様々な表情を魅せてくれ、幅広い年代の来園者が思い思いに過ごしていて、楽しそうな会話を耳にしたり、幸せな景色が垣間見られるのもジンワリ嬉しい場所でありました。

東口ビジターセンターから桝形山へ

東口駐車場に車を停めるとビジターセンターがあり、そこで地図を頂きました。無計画でやって来たのでありがたいです。なになに、ふむふむ、公園かと思いきや「山」があるではないか、ではでは、まずはその「桝形山」へと行ってみよう!

ほほほっ、こんな山道は大好きです。落葉を踏みしめながら、のんびり歩く。ところどころの頭上は終いの紅葉に色づいていました。

階段約180段らしいのですが、なだらかな階段は山ノボラ―の私たちには、楽しい散歩道です。

おっ、ここは真っ赤。お天気の良い暖かい日曜日でしたので、太陽がますます赤く燃やしているようでした。

笑い声が聞こえて、どうやらこの石垣の向こうが「桝形山展望台」のようです。

広場では遊具もあって子供たちが楽しそうにはしゃいでいました。おお、あの展望塔に登らねば!

エレベーターも設置されている親切な塔を上がると、360度の見晴らしが見事で、初冬の空は真っ青!

桝形山から階段を80段降りると、紅葉スポットにたどり着けるようです。

日曜日とはいえ、山道は人影が少なくて、森の空気が心地よく包んでくれました。

戸隠不動尊跡地とっておきの冬紅葉

むむむっ、ここは何?地図を見ると「戸隠不動尊跡地」。なるほど跡地。残された石柱がなんとも趣を感じるのは、色とりどりの樹木のおかげかもしれません。君たちは不動尊を守ってきたのね。

ここにはベンチがあって、ちょっと一休み。

きちんと整備された有名な紅葉スポットも素敵だろうけれど、こんな山の中の自然の景色が何よりも好きです。紅葉の葉っぱは、そろそろ枯れ落ちてしまいそうでありましたが、今年最後の力を振り絞り、隅々まで燃やしてくれていました。

赤とオレンジと緑、イチョウが散らした葉っぱで地面は黄金色の絨毯が敷かれていました。秋の色を全部盛り込んだ素晴らしい場所、でも人はいません。

もし絵心があったのなら、どんなに愛しい場所になったでしょう、そんなことを思いつつ長居をしてしまいました。

戸隠不動尊跡地のすぐ近くには東屋があり、辺りの木々はもう言い尽くせぬほど、きっとこれが今年のフィナーレだと言わんばかりでした。

ずっと思ってきたことですが、人生の四季の中、たぶんきっと晩秋が最も楽しみかもしれないな、と。寒い冬を耐えて生まれ落ち、芽吹かせた若葉は夏の間に瑞々しく茂り、そして秋、鮮やかな彩りに満ちてゆく。やがて全てを燃やし尽くしたら、しんと冷えた大晦日の日には静かな気持ちで除夜の鐘を聞きながら、そっと目を閉じる。そんな一生であったらいいな、と。

私自身の現在地は、春から夏へと日々を慈しむ暇もなく身を粉にして働き、このほど夏を終えて引退を迎えました。そして秋へと移った季節の中、新しい人生を始める身の上です。真っ赤に染められなくてもいいからさ、穏やかに色づく晩秋を、そして心温かな大晦日を迎えられたらいいなと、ぼんやり思っているところです。

赤々と燃える紅葉が言うのです。

それはね、太陽が照り、風が吹き、雨が降るならば、きっとあなたも素敵な色になれるわよ(*^^)v

ここで、あることに気づきました。実はこの山道こそハイキングコースであったのです。ということは、もう少しこの森を楽しめる…!?ハズでした。が、な、なんと!森の道は通行止め。

原因は、ナラ枯れ!

なんとなんと、熊さんたちの大事な食糧を育むナラの木が全国各地で枯れているのだと聞きました。温暖化を始め様々な環境変化がナラの木を病気にしてしまったのです。ここでも地球の持続可能性問題があらわとなり、胸がツンとして、鮮やかな紅葉が目に沁みました。

伝統工芸館からメタセコイヤの林へ

ハイキングを断念し、公園の道へと戻り、伝統工芸館から岡本太郎美術館を拝観することにしました。

道行く人も増えた途中の散策路でも、イロハモミジに椿が出迎えてくれます。

前方に見えるもっこりとしたオレンジ色の樹木は何だろう・・・?

実はそれこそが、大勢の人が楽しみに来園されるのであろう、あの「メタセコイヤ」の林なのでした!

オレンジ色に輝くメタセコイヤたち

これまた、予想外の出会いで(何しろ行き当たりばったりだった今回はお恥ずかしい限りですが)、ちょっともしかして初体験のメタセコイヤ!絵や画像では見たことがありますが…、この背の高い林の中に入り、感動の歓声をあげてしまいました。

見上げても見上げても、一番先っぽの葉っぱには声が届かないだろうと思えるほど、高さは25-30mにもなるのだそうで、オレンジ色の大きなドームの中にいるようでした。

おお~い。一番上の葉っぱの君~そこから見える景色はどんなですか?

ザワザワと風に揺れると、皆が笑顔でおしゃべりしているようでもありました。和名は「あけぼのすぎ」と言うそうです。なるほど「杉」、そして「曙」。夜明けの太陽の色のように眩しく輝くオレンジ色。思いがけず感動的な出会いでありました。

メタセコイヤの林の中には「奥の池」という池があり、周囲の色づいた紅葉の葉が水面を埋め尽くしていました。

しみじみと、紅葉は終いがけが一番美しく、そして精一杯季節を超えて来たからこそ、この美しさを染めることができたのだ、と、何度も褒めてあげたくなります。

ヘッポコな私たちには、どうあがいても、とても手の届かぬ、素晴らしい景色でありました。

中央広場から「もみじ山」

林を抜けると中央広場です。ここには、キッチンカーが並び「宙と緑の科学館」なんてのもありまして、芝生にはたくさんの家族連れの皆さんが楽しんでおられました。そんな様子を眺めるのも好きです。知らない家族の皆さんが、大声ではしゃいでいる景色はシミジミと良いな~って。ワンコも幸せそうに飛び跳ねていました(^^)

そして、あまり行く人はいないようでしたが、メタセコイヤの林からは「つつじ山」という山への道が続いているようです、むむむっ、また「山」、そりゃ行かねば!

ここでは、静かにお弁当を食べることのできるゆるやかな場所でした。「梅園」もあるようで、季節になると賑わうのかもしれませんね。

「つつじ山」は小高い丘のような場所で、下山中には、メタセコイヤの林の全貌を垣間見ることができます。なるほど、大きなオレンジのクリスマスツリーみたい。朝焼けが照らす景色を想像すると、胸がいっぱいになりました。

岡本太郎記念館~日本民家園

メタセコイヤの林の奥には、「岡本太郎美術館」があります。

岡本太郎といえば、1970年の大阪万博の際のモニュメント「太陽の塔」を制作し、「芸術は爆発だ」というコメントで広く知られる芸術家です。

会場には、力強い作品の数々が展示され、ひ弱な私には、その巨大なパワーを直視することができないほどでしたが、太郎氏はエッセイも書けば絵も彫刻もあらゆる芸術分野に挑み続けた人でありました。そのため、あるインタビューで「本業は何ですか?」と問われた際、「本業?ばかばかしい、強いて言うなら人間だ」と答えたのだそうです。

なるほど、喜怒哀楽を誰よりも強く深く表現できる、人間らしい人間、それが岡本太郎なのなのだな、だからあれほど魅力的なのだ、なんて思いつつ・・・鑑賞させて頂きました。

母の塔

そして、こちらもビックリしたのですが、森や林の間に24軒もの古民家が立ち並ぶ「日本古民家園」という古民家の野外博物館がありました。中に入ることができ、日曜日ということでボランティアの方が囲炉裏に火をおこして色んなお話しをして下さいました。どうやら約300年ほど前の古民家を全国各地から移築し、将来に残して行こうと、川崎市が取り組んでおられるのだそうです。

いやいや、時代劇に登場するような古民家がいっぱいで、古来の慎ましやかな暮らしぶりが伺えると同時に、建物の頑強な造りにも驚きました。全て木材と石で作られているその家々は豪雪にも耐え、人々の逞しい営みに頭が下がります。

意外にも園内は歩きごたえがあり、思えば長い散歩になりました。

これからも。。。

というわけで、今回は、登山ではない特別な散歩!

何しろ初冬を迎えた木々の鮮やかな情景に心を打たれ、岡本太郎氏に古民家にと、盛りたくさんの休日を満喫してまいりました。

近頃覚えた動画編集も見ごたえのある色彩となりました↓↓↓

そして、私たちヘッポコの旅は、これからも、まだまだ続きます。

足腰かばいつつ、お互いを労わりながら、ずっと元気に、二人して心地よい彩りの晩秋を迎えるため、コツコツと慎ましく日々を生きてまいりたいと思います。

ね!ヘッポコ相棒、よろしくお願いします💗