新緑の大多摩ウォーキング「鳩ノ巣渓谷」

渓谷と夏山

あっという間に6月がはじまりました。時候の挨拶では、もう「新緑の候」ではなくて「初夏の候」なのです。

5月も引き続き、引退後の後始末やら、まだまだ落ち着かない新しい日々に、ザワザワこちゃこちゃしている間に、するりと月日は巡る💦。もうすぐ雨の季節がやってきそうです。

でもその前に、5月の爽やかな休日に歩いたあの場所のこと、記録しておかねば!

これはいつだっけ?そうそう、GW最終の5月5日のことでした。あの日はとても気温が上がり、そして晴れ晴れと爽快な青空の日でした。家にいるのはもったいない!ので、新宿から電車に乗って、奥多摩と向かったのです。

そして、歩いたコースは、

JR「古里」駅→鳩ノ巣渓谷→JR「奥多摩」駅(通常コースタイム3時間半)

このコースは、「大多摩ウォーキングトレイル」というそうです。奥多摩を超えた「大多摩」!

約9キロのハイキングコースです。新緑の木陰道は、ほぼ全道中に涼やかな水音が聞こえ、アップダウンもほとんどなくて膝にもやさしく、標識はバッチリで道迷いもなしトイレも随所にあるので心配なし。なんにも考えずに水筒とカップラーメンとジェットボイルを持ってブラブラと、非日常な休日を満喫できます。

というわけで、清涼感あふれる「鳩ノ巣渓谷」へ、ヘッポコ夫婦そろって新緑ハイク、Let’go❣

古里駅~寸庭橋を渡って渓流へ向かう

新宿から約1時間半で最寄り駅「古里」駅到着です。駅舎の目の前にコンビニがありました。コンビニを正面に見て、右へ!しばらく車道(青梅街道)を歩きます。

この道どっち?って思うと、こんな立て札が、誇らしげに胸を張ってシャキンと立っています。だから、どうしたって迷子にはなりません。さすが東京都(^^;) 

青梅街道を進んで少しすると左折(もちろん標識あり)、民家の間を歩いていくと寸庭(すにわ)橋。この橋から先は、いよいよ多摩川の渓流沿いを歩く山歩道に入ります

(5月の陽射しが眩しすぎて、カメラのレンズが光をとらえてしまうみたい)

奥多摩の山間を流れる多摩川。空の青と川の青はちょこっと違うな、なんて青色の違いに気づけるのも、ちょっと嬉しい。

日焼け注意ゾーンはここまでです。この先は川沿いの木陰道がはじまります。

それにしても、川の色は緑を溶かしたり、空を溶かしたり、色んな色に見えます。水は大自然を映す鏡なのでしょうか。

松の木尾根を越えて~鳩ノ巣渓谷へ

橋を渡るとこんな道。ここは、とても歩きやすく整備されていて、トレッキングシューズでなくてもスニーカーで大丈夫な山道だと思います。

川が、太陽の日差しを浴びて、光ってる✨

渓流沿いを歩き始めて10分少々、水音に気持ちがスゥ~と癒されて、早々に休憩!

ちょこっと休む、とはいえ9キロなので、先を急ぎましょう。

えっ、えっ、滝。ヘッポコ相棒は、何しろ「渓流」と「滝」が大好きです。なので、またしても休憩。流れ落ちる滝を眺め続けることしばし💦

滝を過ぎると「松の木尾根」という尾根の道です。新緑の香りに包まれ、川音が心地よく聞こえる中、ゆっくり歩く楽しい山道です。

30分ほど登ると、展望台です。ちょこっと眺望が開けました。雲一つない5月の青空。

展望台を過ぎて、なだらかな下り道は、清々しい林の道。

真っすぐに天を目指す木々の最上階には、誰が住んでいるのでしょう。

雲仙橋(うんぜんばし)です。むむむっ、雲?仙人?橋?雲をわたる仙人が休憩したのでしょうか?仙人?色んな秘境を訪ねてきましたが、まだお会いしたことがないような、あるような…うふふ(^^;)。

ここを渡ると、いよいよ「鳩巣渓谷」です。

鳩ノ巣渓谷で水しぶきをあびて、長い休憩

雲仙橋から見た鳩ノ巣渓谷。早く、川沿いへと到達したいです。

きっと、あの吊り橋を渡るのだな。

鳩ノ巣渓谷への入口には「水神社」の鳥居がありました。江戸が大火に見舞われた際に、奥多摩の木材が川を下って運ばれたのだとか。この神社の森に二羽の鳩が巣を作ったので、人々がその鳩を霊鳥として敬ったことが「鳩ノ巣」の名の由来だそうです。ふむふむ。

そしてこの吊り橋は「鳩ノ巣小橋」。渡れば、いよいよ、絶景渓谷が間近に迫ります。

おおぉ~つ。鳩ノ巣は、奇岩、巨岩の渓谷、と呼ばれていますが、ホントに大きな岩がゴロゴロ。

ゆっくりと時間をかけて、上流から流されてきたのですね。いつも、しみじみ思うことですが、自然の営みは時を経て、こんなダイナミックな景色をつくりあげてくれるのです。

水の色が、エメラルドグリーンに輝いています。

橋を渡った先に東屋がありました。でも、川の水を手にすくいたい!ので、少しずつ岩場を下りていきます。見上げると、さっき渡った橋が上に。

清らかで力強い渓流が近づいてきました。水音もますます耳に心地よくて、気分も上々。

川辺まで下りるのに、ちょこっと難儀しましたが、巨岩はしっかりと積み上がっているので大丈夫。しりもちをつきながらズルズル下りるとココ!ほほほっ(#^^#)

この景色の中で、昼ご飯はカップラーメンです。ここで、お湯をわかしましょう。

お湯が沸くのを待つ間、つり橋を見上げると、その下で、な、なんと、気の早い海水浴?ではなくて渓流浴(@_@。

エメラルドの水に触ってみると、まだヒンヤリと冷たいです。あの若者たちが風邪をひきませぬように!

それにしても、お腹の底まで響いてくるような水音、美しい水面を輝かせて、白いしぶきをあげる姿は、いつまで眺めていても飽きることはありませんでした。

(動画も撮影してみました!)

ひとしきりランチタイムを堪能したら、トレイルコースに戻らなければ。よいしょ、よいしょっとよじ登る。

名残惜しくて、なかなか立ち去ることができませんが、絶えまなく流れるこの川の、もう少し先まで行ってみようと思います。

青と緑の別世界、白丸湖畔~奥多摩駅へ

ほどなくして、「白丸ダム」に到着しました。このダムができたことで、魚さんたちが道をふさがれてしまうため「魚道」というのがつくられていました。とにかく大迫力のダムで、ダム湖は、やっぱりエメラルドグリーン。

ここがちょうど、コースの中間点。この先の道は、もっと歩きやすくなって、湖畔の遊歩道が始まります。もちろん日焼け知らず。

木の間から見える湖(白丸湖)は、山の緑を映したエメラルドグリーンと、空の青を映したスカイブルーの2色です。なんと美しい!!

途中、カヌーをされている方がありました。どうやらカヌー体験ができるようです。あの水面に浮かぶなんて、どんなに気持ち良いでしょうね。

この色、ペパーミントグリーンとでも言うべきか、エメラルドにうんと透明感を足したようで、これはもう5月の太陽と空が生み出した色!なのだと思います。

色んな緑色と青色を足したり引いたりしてできた、天然のグラデーションに、しばらく酔いしれてしまいました。最近、絵を習い始めて右往左往しておりますが、いつか、こんな景色を描けたらどんなに素敵だろう、と思います。

長い遊歩道を堪能した後は、そろそろと川から離れつつ、水音を耳に残しながら、緑の林の中をのんびり歩きます。

そして、このトンネルを抜けると・・・

新緑の里山へ。

奥多摩駅へと向かう道中は、こんな素敵な、まさに絵になるような里山の景色が広がります。ここは、緑の季節もとても素敵ですが、紅葉シーズンは燃えるような美しさに包まれるのだそうです。

通常コースタイム3時間半!なのに、たぶん休憩が多すぎて、スタートからゴールまでおよそ5時間ほどはこの景色の中に浸っていたと思います。「奥座敷」という表現がとても心にしみる、奥多摩の旅でありました。

最後は車道を歩き、あっと言う間に奥多摩駅に到着しました。駅は、あちこちの山から下りて来た人や、そこここの渓谷で過ごした人たちで大賑わいでした。そんな笑顔のみんなをワイワイと乗せて、列車は日常の世界へと、私たちを引き戻して、くれてしまうのです(^^;)v

あれから1か月、今日も、奥多摩の渓流は絶え間なく流れているのだろうと想像すると、あの空の青さも、緑の豊かさも、幻想的な水の色も、全てを包み込む光の輝きも、なにもかもが心地よく蘇ってきます。

このところ、ようやく、「私は人生の歩き方を変えたのだなぁ~」、と実感がわいてきましたが、まだまだ足元の道は霞がちです。まぁまぁ焦らずにのんびりと、移りゆく季節に心をのせて、風に吹かれて歩いてまいりたいと思います。

さてさて、次は、どこへ行こうかな^^。