世界遺産「熊野古道」とは
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晴天に恵まれた二日目は、熊野灘を臨む絶景の海岸線も歩くぞという、古道といえども海辺もあるのが熊野古道!気分爽快な中辺路(なかへち)のホットスポットを歩きました。
★熊野速玉大社から王子ケ浜を経て高野坂へ(7キロ約2時間)
一日目に雨の中となった聖地「大斎原(おおゆのはら)」へ朝一番にもう一度、ご挨拶した後で、本日の行程のハイライト!「王子ケ浜」での煌く青い海岸歩きと、苔むす古道「高野坂」で新緑のトンネル歩きを楽しみました。その後、海の見えるローカル線に乗るという、GWらしいコースです。
アクセスと行程
まずは昨日と同じく宿からも近い熊野本宮大社前の「和歌山県世界遺産センター」に車を停めて、晴れ晴れとした聖地「大斎原(おおゆのはら」を体験後、熊野川沿いを走らせること1時間弱で熊野速玉大社駐車場へ移動(ここも臨時駐車場あり)。駐車場にレンタカーを預けてから、ゆっくりとトレッキング開始。Goalの三輪埼駅からはローカル線にて「新宮駅」へ、駅から徒歩20分で速玉大社に戻ってきました。
★歩いたコースはこちら。約2時間となっていますが、浜辺で遊んだりお昼を食べたりして約3時間、電車に乗って戻る時間も入れると所要時間は4時間以上かかったかな。

晴れた朝の大斎原を堪能
駐車場の世界遺産センターの真ん前が熊野本宮大社。

昨日は濡れそぼっていた参道には木漏れ日が差して、のんびりとした朝を迎えました。せっかくだから、もう一度参拝しました。

そして、本宮から徒歩5分の場所にある、聖地「大斎原(おおゆのはら)」の大鳥居は空に向かって、スクっと背筋を伸ばし、威厳のある姿が青空に映えます。ほほ~っ😊v

本日は、晴天なり。

さて、これから熊野川沿いの道を走り、本日のスタート地点「熊野速玉大社」まで小一時間のドライブです。
※ちなみに古の参詣者たちは、本宮参拝後この熊野川を船で下って速玉大社へ向かったのだとか。ならば私たちもと「川舟下り」ができるかを調べたのですが、全く空席なし!なので、すみません。車で移動しちゃいます。

速玉大社から古道の町歩き
熊野速玉大社に到着。参拝は翌日にすることにして(というのも速玉大社には神倉神社という少し頑張らないとならぬ参拝経路があり時間を要するため)、本日はまずここからトレッキングスタートです。

このコースでは、最初の4-50分は町の舗装路を歩きます。もちろん古道ルートです。町なかにある、神社旧跡をめぐりながら王子ケ浜を目指します。静かな町並み。

ここは「新宮城跡」。紀州徳川藩の家老・水野氏の居城だったところらしい。今は城壁のみ。階段をあがると公園になってます。ふむふむ。


町なか歩きが続きますが、いたるところに標識があり!なので迷わず歩ける。ただ、誰も歩いていないことが不安なのでありますが💦ほどなく「歴史民俗資料館」。

お隣には「阿須賀神社」。平安時代にはここにも熊野の神が還ったと言われているそうです。

その後、町並みの風情はますます古道らしくなります。が、少々道が不安になり、押し車を押すおばあちゃまに会いましたので尋ねてみました。すると、「熊野路な、ごくろうさんです」と言われました。そうなのです。地元の年配の方とすれ違うと、度々「ごくろうさんです」と言われるのです。ちょっとこそばゆくて、でも少し身が引き締まったりします(‘◇’)ゞ

浜辺の手前に鎮座する「浜王子(王子神社)」に到着。ここは、古来に荒れ狂う海を鎮めた海の神が祀られており、後に王子社となったのだそうです。ここで本コース初めてハイカーさんに出会いました。欧米系の男性二人組。熊野古道では欧州などからの外国人ハイカーさんがとても多い!巡礼の路に惹かれるのでしょうか。

青い海「王子ケ浜」で海岸歩き
この防風林を抜けると・・・

何これ、すごい!青い!海だ!!!何しろ広い海岸に、人気もなく、ただひたすら打ち寄せる波の音。

ちょっと信じられない~ぐらい、感動しきりで駆け出してしまいました。ここは「王子ケ浜」!熊野灘、太平洋だぞ~💙

この海岸をしばらく歩くのです。というか、ちょっとしばしここで海を眺めて過ごすのです。
誰もいない、青く煌く静かな海。

とにかく青い。伝統的な和名では、紺碧の海なんて言われますが、それだけでは到底言い表すことはできなくて、天色・青色・薄藍色などなど、色んな色をグラデーションにしても全然足りないくらい。海は広くて大きくて、深いのです。この日は大変に穏やかで、打ち寄せる波もやさしい良い日でありました。

この海岸沿いを30分ほど歩くのですが、何しろ休憩しまくり、写真も撮りまくり、小一時間滞在してしまいました。(ふふふっ思い出を動画にも☺)

砂浜ではなく、小さな石ころで埋め尽くされた砂礫海岸です。少々歩きにくいのですが、ここも古道の一部と思うとちょっと嬉しい。聖地の海岸を踏みしめて一歩ずつ。

この日は4/29祝日でしたが、この時間この浜で見かけたのは一組だけ。静かな静かな青い海。

古来の参詣者たちは、長い道を歩いて辿り着いたこの場所、眼前に広がる青い海にどれだけ心を清められたでしょう。ここで一休みされて身を浄めたとも言われている場所です。

もうホントに、何とも美しく、波光きらめいていました✨

海岸の端から鉄道のガードを潜ると「高野坂」の上り口にがあります。ちょっと見落としてしまいそうですが、ちょうど電車が通ったので、よぉ~く見るとガードあり。

苔むす「高野坂」新緑のトンネル
ガードをくぐると、すぐここ「高野坂登り口」です。

ここからは、苔むす林を歩く、古道らしい道が始まります。

高野坂は海沿いの高台を越えていく、多少のアップダウンのある古道歩き約1.5キロほどのルート。さっさと歩くとすぐに終わってしまいそうなので、ゆっくりゆっくり歩こう。

こんな林の中を歩くことには慣れています。けれど、古道はどこの登山道よりも歩きやすい。それはきっと古来より多くの人に踏み固められてきたからでしょうか。


少し登ると、先ほど遊んだ海が見下ろせます。

しばし、ささやかな波音と小鳥たちの合唱を耳にしながら、のんびり歩く。

ほらまた。熊野古道はすばらしい景勝地でもあるのです。

少し森が深くなってきました。

すると足元は苔むす石の路。


一日目の発心門王子からのコースもとても素敵でありましたが、ここも大変素晴らしい風情のある古道でした。

悠久の歴史をたっぷり感じさせる古道。むしょうに苔に惹かれてしまうのは、心の中に宿る「侘び」「寂び」の美意識ゆえかな。

頭上には新緑の季節ならではの眩しい木々のアーチができています。

時々、地元の方の畑があったりします。畑仕事中の方に「こんにちわ」と挨拶すると「ごくろうさんです」と言われます。そして、あれ?ベンチ?

せっかくのお心づかいに感謝して、ちょっと一休み。

昔々から、この地域の人々は遠くからやってくる参詣者の道中を案じ、色々な工夫を施してくれていたのだろうことに想い馳せると、豊かな自然が残された巡礼の路ということだけでなく、迎え入れる地域の人々のお心遣いもあわせて、世界遺産なのだなあと思ったりしました。


高野坂、とっても心に残る路でした。

緑の林の中に突然にあらわれた赤い鳥居は「金光稲荷神社」。


そして、高野坂降り口(こっちから歩く場合は、ここが登り口)に到着です。

三輪埼駅からローカル線で
高野坂降り口から三輪埼駅までは徒歩5分。三輪埼駅はJR紀勢本線の駅で、無人駅です。ここからお隣の「新宮」まで電車で戻ります。しかし、この列車、10時台の次は12時台、その次は14時7分を逃すと16時台までありません。だから、14時7分をめがけて歩いて来ました。ギリギリ間に合った☺

さて、駅舎には切符売り場もなく、どうやって乗る?ホームにいた女子中学生らしき女の子に聞いてみました。
「電車の乗り口で整理券を取って、新宮駅で三輪埼から乗りましたと言ってお金を払ってください。190円です」と笑顔でハキハキと、しかもとても親切に教えて下さいました。次の世代にも伝承される「ごくろうさま」、いたみいりました。

ほんの7分ほどのローカル電車の旅でしたが、車窓からはさっき歩いた浜辺が見える。

海の見えるローカル列車!“乗り鉄”ファンでなくても、なんて心地よい時間なんだと感激しました。

あっという間に新宮駅到着。空に大きな鳥が飛び交っていました。ピーヒョロロと鳴くトンビです。カラスではなくてトンビなんだと、そんなことにも感動しきり。(ふいを付かれて写真撮れずちょっと残念)

新宮駅から、静かなシャッター商店街を20分ほど歩いて熊野速玉大社へ向かいます。本当に文字通りのシャッター通りでありました。かつてはどんなに賑わった通りだっただろうかと想像しつつ、こうなると都市計画の見直しとか再開発が必要なのかなぁ~と現実的な気分に襲われつつ…速玉大社到着。
この先へお詣りをするのは明日へ。。。

今日は早めにお風呂に入ろう!なぜならば、海の見える露天風呂がある宿だから。速玉大社から車で20分ほどの場所にある「休暇村 南紀勝浦」に泊まりました。リーズナブルであり、細やかな心遣いの行き届いた宿で、かつHPの画像どおり心地よい露天風呂でした。しかも、満点の星空✨北斗七星見えました!

翌朝は、な、なんと、日の出鑑賞から始まります。
※3日目へ続く➨https://howamowa.com/?p=32575
世界遺産「熊野古道」とは
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◆1日目/杉林の石畳から永遠の聖地へ
発心門王子から伏拝王子を経て熊野本宮大社
詳細➨https://howamowa.com/?p=32417
◆2日目/青い海辺から苔むす森へ
熊野速玉大社から王子ケ浜を経て高野坂
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◆3日目/木漏れ日の石段から大滝へ
大門坂から熊野那智大社を経て那智大滝
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