世界遺産「熊野古道」とは
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3日目は、速玉大社で過去(前世)の罪を浄め、「大門坂」で幻想的な木漏れ日を浴び、那智大社で現世の縁を結んで滝しぶきを浴びました。いよいよヘッポコ夫婦の巡礼旅、クライマックスです。
★速玉大社参拝&大門坂から熊野那智大社、那智大滝へ
最終日の今日は、2日目にやりのこした速玉大社・神倉神社の参拝を済ませてから、大門坂へ移動(車25分)。大門坂駐車場に車を停めて、苔むす石段を登り、那智大社~那智青岸渡寺~那智の滝までぶらぶらと観光気分のトレッキングコースです。
アクセスと行程
指南本の行程は那智駅スタートでありましたが、車を迎えに行く都合や、最初に速玉大社を詣でなくてはならなかったことから、大門坂駐車場からトレッキング開始。後半の那智大社から那智の滝は急な階段の上り下りがあり滝鑑賞や参拝に1時間ほどを要してしました。滝前バス停から大門坂へはバス5分(このバスは1時間に2本と本数が多い、さすが那智の滝)、その後空港まで車で2時間弱。

まずは日の出から
宿泊した「休暇村 南紀勝浦」は熊野灘を臨むオーシャンビューな宿でした。なので、大海原から昇る日の出が見える!おっ、赤くなり始めました。

来た来た!今日の太陽。おはようございます。
日の出時刻は午前5時頃。宿のテラスからはこの景色。あまり誰もおらずでしたので、ヘッポコ相棒と二人のんびりと朝日をお出迎えしました。

静かな水面からジワリと生まれた太陽です。きっと良い日になる。欠けることのない太陽の姿には不思議にいつもパワーをもらうのです。

南紀勝浦はマグロ漁日本一なのだそうで、なんとこの鯉のぼり、鯉ではなくて「鮪(まぐろ)」。朝ご飯にもマグロ丼。

熊野速玉大社~神倉神社
さて、朝一番で向かうのは「熊野速玉(はやたま)大社」です(勝浦からは車で20分)。
速玉大社のすぐ隣は熊野川。かつて人々が本宮からここまで舟で下ったという終着点かな。臨時駐車場はこの土手にありました。

「速玉大社」は過去(前世)の罪を浄める場所。ということで、それはもう罪まみれな私たちには避けては通れぬ場所だわ💦

境内はそれほど広くもなく、お詣りはあっという間ですが、何しろ朱塗りの社殿があまりに眩しくて、何だか何もかもお見通し?なのかとちょっと恥ずかしい気持ちにもなりつつ…。

そして、行かねばならぬ所があります。速玉大社から徒歩15分ほどの場所にある「神倉神社」です。もともとは、その神倉山山頂にある大きな岩に熊野権現が最初に降臨したとのことで、その神倉神社を「元宮」、速玉大社を「新宮」と呼んだそう。なので町の名前も「新宮」。へえ~。

ということで、テクテク歩いて「神倉神社」の鳥居に到着。えっ?この石段538段もあるのだとか…しかも急こう配!(体力的に難しい場合は階段下でお詣りを済ませることもできるそう、ですが、私たち、ヘッポコではありますが💦登ります!)

登り始めの場所に杖がありました。語り部の方が「杖を持って行った方が良い」とおっしゃるので拝借したのですが、最初の5分ほどは、杖よりも両手で石を掴んで全身で登らねばならぬほど急でした。怖くて手を離せません。なるほど~過去(前世)の禊の路は険しいのだ。

ほどなくすると、歩きやすい石段になります。

木々から漏れる日差しが優しく背中を押してくれるので、この後の10分ほどは快適に進みます。

登りきると、これまたビックリ!この大きな岩がご神体の「ゴトビキ岩」です。どうやってあんな所に(@_@。ともかく登らねば💦

で、登りつめました。すると、おぉ~ここは新宮随一のビュースポットなのだそうです。熊野川が熊野灘に流れ込む景色が見られます。

高所恐怖症には少し怖いですが、しっかりお詣り。

ヘッポコ相棒も、ちゃんと前世の過ちを懺悔して。

下りの階段は、最後やはり苦労しましたが、無事に下りて来ました。さすがになるほど~な試練を感じる参拝でありました。

苔むす石段「大門坂」
さてこれまで、未来(来世)の安寧を得て、過去(前世)の罪を浄めたところで、クライマックスは現世の縁を結ぶこと。そこへの路は「大門坂」です。

速玉大社から大門坂駐車場までは車で25分。ここからトレッキングスタートです。

やわらかな木漏れ日が落ちる石段が現れました。
大門坂は全長約600m、標高差約100mで267段です。神倉神社と違い、なだらか~な勾配です。日焼けすることもなく息が切れることもない最高のトレッキングコース。

鬱蒼と茂る杉木立の中にどっしりと構える石段を登って行きます。

ここでも杖の貸し出しがありましたので、とりあえずお借りしてみましたが、無くても全く大丈夫なぐらい、ホントに歩きやすい。

途中に「多富気(たふけ)王子」という石碑がありました。ここは熊野九十九王子の最後の王子社だそうです。まさにクライマックス。

樹齢800年の楠。界隈の杉木立もその樹齢は300年以上と言われています。悠久の時が刻まれる場所、人々の悲喜こもごもの息遣いも含まれているのかと思うと、壮大な世界の中に佇んでいることに身震いしてしまいます。

往時の面影を色濃く残す景色と、時々顔を撫でるひんやりとした空気に、神域だということを実感します。

長い年月の間、多くの人が踏みしめたであろう凹みもあったりして、何とも趣深い石段です。

途中でご婦人とすれ違いました。あれ?まるでタイムスリップしてしまったような錯覚に陥るのですが…実は登り口の「大門茶屋」で平安衣装の貸し出しをしているようです。いやはや、絵になります。

登り詰めたところには、熊野那智大社の駐車場。その辺りにはお土産屋さんが並んだりしていますが、ずっと階段。聞くところによると、那智大社まで467段。大門坂よりこっちの方が辛いぐらいです💦
熊野那智大社~那智の大滝
なのですが、行かねば。朱塗りの鳥居をくぐります。

すると、また階段。でも行かねば!ここで杖が威力を発揮(^^;)

上り詰めると、那智大社の境内からは清々しい景色が見えました。ここは標高350mだそう。

よし、ここで、現世のご縁を結んで頂かなくてワなりませんから、しっかりむにゃむにゃとお詣りを澄ませました。一安心していると、むむむ?なんと樹齢850年の大楠の幹が空洞化していて、ここを絵馬や護摩木にお願いごとを書いたものを持ってくぐり抜けると願いが叶う?らしいです(胎内くぐり)。もちろん、やってみました。

熊野古道の旅3日間のうち、最も多くの人に出会った場所、それが那智大滝です。那智大社の隣の那智山青岸渡寺(せいがんとじ)の境内から、那智の滝と三重塔という景観が目に飛び込んできました。圧巻です!
※神社の隣にお寺という、那智は熊野三山で唯一の神仏習合の姿を留める聖地なのだそう。


那智山青岸渡寺(せいがんとじ)から那智の滝までは、階段をグングン降りて、しっかり登って、また降りるという少々膝腰にくる道のりでありましたが、滝に近づきました。滝前に大滝をご神体とする那智大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社がありました。

延命長寿のお滝水を盃で頂けるという場所もありました(200円)


「長生き」、それは切実な願いでもあり、しっかりゴクンと頂いて、お滝拝所へ。

そして、滝のしぶきがかかるほど、聖なる滝の威厳のある姿を仰ぎ見る。(動画に残しました)
そして、居合わせたカメラマン風の方にきれいな記念写真✨を撮って頂きました😊

さて果たして、残り少なくなった現世での日々が少しは伸びたでしょうか?そしてまた、もうしばらくの間、この世界で素敵なご縁を結ぶことができるでしょうか?
それはね、これからの慎ましい暮らしのたゆまぬ努力と、日々の祈りと、鍛錬のその先に巡りくるもの?とか言われそうです。しかしまたすぐ私たちの魂は罪で汚れてしまう。それゆえに、おすがりできる神様があることは、ありがたいことであります。
串本を経て南紀白浜空港へ
さて、そろそろタイムリミットの時間が迫ってきました。本当は歩いて大門坂に戻りたかったのですが時間がない。なので那智大滝前バス停からバスに乗り、大門坂駐車場へ。そして、一路「南紀白浜空港」へ車を走らせました。(大門坂より約1時間半)
途中、本州最南端の町「串本」にある「道のえきくしもと」で休憩しました。ここは国の名勝天然記念物「橋杭岩(はしくいいわ)」です。1400年も前に紀伊半島大噴火があり、あの神倉神社の「ゴトビキ岩」も「那智大滝」も「橋杭岩」も噴火した溶岩が固まった跡なのだそうです。

またここは、弘法大師と天邪鬼が一晩で橋を架ける賭をして一夜にして立てたという伝説もあるようで、ここも熊野古道「大辺路」の一部だったりします。

そして夕方最後の便で羽田へ戻ります。
空に飛び立つと、2泊3日巡礼の旅を締めくくる、夕焼け!思わず合掌 (*^^*)
盛りだくさん、胸いっぱいの思い出旅に心より感謝して、ヘッポコ相棒と二人、明日からまた新たな日々を、そろりコツコツ始めてまいろうと思います。

世界遺産「熊野古道」とは
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◆1日目/杉林の石畳から永遠の聖地へ
発心門王子から伏拝王子を経て熊野本宮大社
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◆2日目/青い海辺から苔むす森へ
熊野速玉大社から王子ケ浜を経て高野坂
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◆3日目/木漏れ日の石段から大滝へ
大門坂から熊野那智大社を経て那智大滝
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