女将をリタイアしてから、自宅の箪笥の中には、たくさんの着物や帯が眠っています。色んな催事や大人の事情で誂えた着物や帯たち…。だけど、申し訳ないことに、今はまだ、その子たちに袖を通す気持ちにはなれなくて、それで、引退後に少し買い足したりしました(わざわざ箪笥まで買って、すでにこんなにあるのに?と夫に疑念の目を向けられつつ…だってこの子たちは長年働いて今はまだ休ませてあげたいからと言い訳を返して💦)。
でも、新しい着物を買うと、やっぱり着てみたいのです!
ただ、日常的に着ているわけじゃないと、着る前、着た後が面倒だな~と思ったりして。それでも、着付けが終わると、なんだか別人になれる気がして「やっぱりイイな~」と、(日頃はありえないことですが)鏡の前でしげしげと自分を見つめてしまいます(^^;)
この度のコーディネートは
京友禅の小紋「吹き寄せ」
織楽浅野名古屋帯「花ゆきわ」
年齢を重ねるにつれ、濃いめの色の華やぎ小紋が欲しいと思うようになりました。これまでは、小紋と言えば江戸小紋でしたが、こっくりとした友禅の色合いにあこがれていました。そこで、引退後、お取引先様に無理言って、選んで頂いたのが、こちらの濃紺色の小紋です。
何しろ、古典柄の中でも「吹き寄せ」は好きなデザインです。風が吹き寄せた木の葉や小花を描いた模様ですが、花や葉っぱを描くというよりも、そよ吹く「風」を描いたのだと思うから。これまでも、帯や着物に描かれた「吹き寄せ」柄を見ると、風のひそやかなおしゃべりや、その気持ちを知りたくなります。
もちろん、小花や葉っぱの白グレーの繊細なデザインも気に入りました。
帯は、織楽浅野さんの「花ゆきわ」です。お店でも、とにかく人気のデザインでした。何しろ私は「花ゆきわ」の試作段階の帯も着用していました。でも、営業終了まで、この完成系を自前で誂えることができませんでした。何しろ、仕入れる度にすぐに売れてしまうからです。そのため、最後の最後に、自分のために織楽さんにオーダーを入れたのでした。
そして、着付け完成!お出かけ準備OKです。手前勝手な感想ですが、とても良く似合ってると思います(笑;)
思えば久しぶりの着付け。実は、この日は私の誕生日🎂でした。
それで、何か生まれにまつわるものを、なんて密かに思って、亡き父が亡き母に誂えた着物一式の中にあった長襦袢を着用してみました。すると…しまった、微妙に袖が合ってない!そんなハズではなかったのですが、あれ??着付けって、何度やっても、いつもどこかしらに不備があり、完璧なことなんてないですね~でも、たぶん、自分が思うほど他人は気づいていないのだろうから、まっいいや!
そして、寒い夜にお出かけして、温かなバースデーをお祝いしてもらいました💗着物であろうがなかろうが、いつも少々飲みすぎる私ですが、新しい着物のおかげで、益々ハッピーでした。重ねた年齢は、すでにもう数えません💦
そして、着物ってやっぱりいいよね~と大満足して、この次からは、できるだけストレスなく着用できるようにと、自宅のクローゼットの片隅のスペースに、枕や紐や伊達締めたち着付けグッズを(終い込まずにひとまとめにして)すぐに取り出せるようにしました。
登山やハイキングはもちろんとても好きですが、たま~には着物にも親しめたら良いな!これからは、好きなことを無理せずゆるやかに楽しんでいこう、そんな穏やかな日々を、できるだけ長く、過ごして行けたらよいな、と思います。
ホントに、良き日でありました(#^.^#)