紅葉は赤や黄色ばかりじゃないよね。山一面を覆いつくすススキ野原が伊豆にあると聞いて、ちょっと行ってみたかったのです。ススキといえば関東では箱根の仙石原が有名ではありますが、秋の箱根は人も車も大渋滞らしい。ならば、私たち山ノボラー改め(最近は「お山歩隊(おさんぽたい)」)ならではの高原ハイクとススキ野原を楽しみに、伊豆稲取「細野高原」へと行ってきました。
すると、11月の初めの祝日ですが、ハイカーさんは少なめ。きっと高原が広くてデカい(東京ドーム26個分らしい)からかと思いますが、海も臨める絶景ビューな高原は、なかなかに良きお山歩となりました。
場所はここ↓

【アクセス】電車で行きました。都内から新幹線で→熱海→踊り子号で伊豆稲取→駅から直通バス(11月土日祝日のみ運行)で20分→細野高原着
Let’s go!お山歩🎵
お山歩コースは、ハイキングマップに掲載のあった140分コース+せっかくなので三筋山登頂もしたくて、バス停→①→②→③→④→⑤→三筋山山頂(標高821m)→⑤→⑥→⑦→⑧→①→バス停、細野高原をたっぷり堪能/標高差約620m/滞在時間は帰りのバスの時間もあり約4時間半
※マップ:細野高原みらい協議会HPより

11月は「秋のすすき鑑賞会」が開催中ということで、バス停前に受付ができていて(期間限定だと思いますが)入山料1000円。
歩き始めるとすぐに、おお~なんとも広い高原、そして山の上に風車がずらり。風力発電の風車が設置されているのだそうです。海からの風の道があるからかな~なんて言いながら、なかなかに見慣れない景色であります。

白っぽく見えるのは全てススキです。風が吹くと一斉にしなるススキの大海原なのであります。

ポイント②までの路は林の中、ゆるやかな坂道を歩きますが、舗装路なので軽い散歩気分。

林を抜けるとポイント④は、なんと一面のススキ野原、青空が眩しい、爽快な高原歩きが始まります。祝日だけど人影まばら。いいじゃない!ワクワクです。

日差しがススキの穂を照らし、黄金色に輝くのです。時々吹く風にさわさわと体を揺らす、その音も心地よい。

ススキにまみれて動画を撮ってみました。これまで色んな山を歩いてきましたが、初体験!
三筋山山頂と相模湾ビュー
ここからポイント⑤を経由して、三筋山山頂まで30分ほど上り坂を登ります。といっても大したこともなく、きれいな整備された階段状の登山道は歩きやすいです。で、山頂には展望台があって、なんと風車の真下!

こんなに間近で見たのは初めてで、ちょっと怖いぐらいでした。いや、怖がる必要はないのですが、山頂は風が強くて寒い。だから風車はゴーゴーと音をたてて、ぐるぐる回る。。ひょー💦💦
山頂はとても広いです。駆け回れます。テーブルやベンチもあり、お昼ご飯がゆっくり食べられます。ここは火気厳禁の山ですので、パンやおにぎり、飲み物を持参しました。そして、相模湾が見える~(^O^)/。

山頂の少し下に海を臨むビューポイントがあるらしい。水平線が霞んでいますが、目の前は海。

ここです、ここがビューポイント。

あのベンチに腰掛けましょう。

おほほっ、ここでお弁当を食べても良かったな。

どこからともなく聞こえる風車の音、風にそよぐススキ、紅葉の始まった山肌、目の前は青い海。壮観です!

ちょっとここで【細野高原とは】高原のススキ野原は125ヘクタール。昔はススキ(カヤ)は茅葺き屋根をつくるために使われていて、あちこちにカヤをつくるための茅場という草原がありました。ここ細野高原もその一つ。けれど次第に需要がなくなり茅場が放置されるようになりましたが、ここでは数百年来、山焼きを行うことで良質な茅場が維持されているのだそうです。今でもみかん畑の保湿、保温材、肥料として利用されているのだとか(東伊豆観光協会さんのサイトより)
なるほど~❣

あっ、伊豆大島が見える。うっすらと浮かび上がる大島。こんなに近いのだと、ちょっと驚き。

ススキまみれの下山道
下山道は、“ススキまみれ”の道でした。

聞こえるのは、秋虫の鳴き声と風になびくススキ、かすかに聞こえる風車の音。
後ろの山肌は「山焼き」の後。

のんびり歩こう、ゆっくりゆっくり。

振り返ると風車。見慣れてくると、ここにあるべきものなのだ、という感じがしてきました。

なんだか別世界。空と雲とススキだけ。

そして、海というご褒美。かすかに見える小さな島は利島だよね。

おお~美しい。

もう、どうしよう。何度も立ち止まってしまうのです。

まさに、ススキまみれ!!

秋の野のおしなべたるをかしさは…
ススキって秋の七草にもある草花であり、萩や桔梗と違い美しい花は咲かせないけれど、古の人はどう感じていたのだろう、ちょっとそんなことが気になってしまいました。そこで調べてみると…
かの清少納言「枕草子」の中にありました。
清少納言さんは、秋の草花をいくつも上げて「いとをかし」と愛でたあと、とはいえ、「秋の野のおしなべたるをかしさは、薄(すすき)こそあれ」と書いているのです。
いいぞいいぞ。それで?続きを読むと、
朝露に濡れてたなびいている風情の美しさは他にあるだろうか、さらには、秋の花々が全て散ってしまった後、穂先が白く乱れても、「むかし思ひで顔に(昔を思い出しているような顔で)」風になびいて立っている。と綴り…

そして、それって人に似ている、まるで人に寄り添う心があるみたいで、だからこそ「あはれ」なのではないでしょうか。そう書いているのです。

なんと、千年も昔に清少納言さんがすでにそう感じておられるまま、時を経て今、同じように感じている!ということが、大いに嬉しくなり、ちょっと感動してしまいました。
秋はススキこそあはれなり。心に刻んでおきたいと思いました。

午後の太陽が低くなるにつれ、ますます輝くススキです。

けれどね、そうよね…
花すすき まねく袂は あまたあれど 秋はとまらぬ ものにぞありける(藤原元真)

スタート地点、ポイント①に戻ってきました。この後、バスの時間まで広い広い草原と風車を眺めて過ごしました。

あっ、ブランコがあったりして、なぜだか気持ちよさそうに遊ぶ、ヘッポコ相棒💦

踊り子号で帰ります

帰りは、土日祝日限定、伊豆稲取駅から都心へ直通の「踊り子号」で帰ります。2時間半座ってるだけ!

動き出してすぐに伊豆大島がくっきり見えました。

そして、駅前のお土産屋さんで買った、限定ビールと伊豆みかんワインを開けながら、いつかまた、踊り子号に乗って、もっと遠くも行きたいね。などと話しつつ、列車は東京へ。

そういえば、入山受付所でもらったマップではスタンプラリーができるようになっていて、ポイントを巡りながら全箇所スタンプを押印し、こんなおみやげを頂きました。非売品の東伊豆カレンダーとポストカード!
いやいや、本当に、良き日でありました。ありがとうございます。

付記:頂いたカレンダーをパラパラめくると、こんな景色が。むむむ、ぜひ、いつか、この「ムーンロード」が見てみたい。ということを覚書きしておこう、と思います。あの月の道を歩いてみたいのだ💦

