晩秋の中山道を軽井沢へ

紅葉の山
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ぽかぽか陽気の晩秋、過ごしやすいお天気が続いています。今回は落葉の進む山へ残りの紅葉を探してお散歩レポートです。

山登りが趣味の私ですが、この度のお出かけ先は登山というよりハイキング、先日の三連休最終日の定休日に紅葉を追いかけて行ってまいりました。

軽井沢「碓氷(うすい)峠」をを超える「旧中山道」をハイキングで。この度は美しい彩りの景色をおさめてきました。

*近頃はお客様からも山登りしてます♪なんて時々お話をお聞きするようになって嬉しい限りです。今回のコースは初めての登山にもとってもおすすめ、ハイキングにちょっぴり登山気分をプラス、何しろ素敵な景色にすっぽり包まれて、しかもとっても歩きやすくて道迷いの心配もなし、アップダウンの少ない膝腰にやさしい快適な道でした。

今年は少し出遅れてしまって晩秋になり、それでもまだ彩りの残る山はないかしら?しかも楽ちんコース希望!あれこれ調べた挙句に素敵なところを見つけました。

「峠の釜めし」で有名な群馬県安中市JR信越本線「横川」駅~長野県の「軽井沢駅」まで、どうやらここは旧中山道とのことで、ふむふむ、ならばちょっぴり古の人の足跡を辿ってみるのも悪くないね。ゆっくりのんびり晩秋の景色を楽しみましょう。

※今回歩いたコース:横川駅駐車場に車を止めて「めがね橋」までタクシー移動、「めがね橋」~アプトの道~中山道~「軽井沢駅」まで約7時間のハイキング&プチ登山です。

朝9時、横川駅。駅の目の前には「峠の釜めし」のお店があります。かつては横川駅で列車が峠越えの準備をするため停車する時間に駅弁として販売されていました。朝っぱらから持って歩くわけにはまいりませんが帰り道にはきっと頂きます(*^^*)

朝寝坊のため時間短縮を図り「めがね橋」までタクシー移動をしました。横川駅~めがね橋~熊野ノ平は、かつて山道を登るためのギア式機関車が走っていたそうで、その方式を「アプト式」といい、昭和38年に廃線になりましたが近頃その廃線敷に遊歩道「アプトの道」が整備されました。

国の重要文化財でもある「めがね橋」はこの路線のハイライトだったそうです。明治25年から昭和38年までアプト式鉄道を支えたレンガ造りのアーチ式鉄道橋です。

なんと2万8000個のレンガで作られている橋、スタートから旅の情緒満点の絶景でした。

めがね橋の上に上がり、しばし快適なアプトの道を歩きます。この中を機関車が走っていたのですね、意外にも狭いトンネルの連続。

トンネルを抜けると紅葉の絶景が待ってくれているようです。

来た来た~紅葉の木々からの木漏れ日。

碓氷(うすい)湖です。いやもう素晴らしい秋景色を目の当たりにして、しばし寄り道、湖畔に降りてみました。

えへへっ、うふふっ。

あっそうそう、登山するときお化粧どうしてるのですか?とたまに質問されるのですが、ハイ!日帰りハイキング程度の時はバッチリメイクしてます。たぶんお店番よりも念入りに😅ファンデーションはスポーツ用ですがその他は通常通りアイラインもマスカラもバッチリです、つけてないのは口紅だけ。だからスタートが遅くなるのかな・・・(^^;) ただハードな汗かき登山になるに従い簡略化やむなくなり、そして山小屋テント泊の際は仕方なくほぼノーメイクですが💦

どうでしょう~燃え尽きてしまいそうです。

優雅な遊歩道散歩ではチラホラと観光客の皆さまとすれ違いましたが、この途中から中山道へと入る道の分岐点がありアプトの道から出ていよいよ人の気配のない山道へと向かいます。

中山道はここから旧碓氷峠を越えるまで実は標高差600~700mあり、かつては中山道最大の難所といわれた峠越えです。うっそうとした山道を眺めてちょっぴり緊張。。。

しかし歩き始めて5分ぐらいすると実感するのですが、いや登山?というには歩きやすいです。でも、わらじを履いて着物をたくし上げて歩く旅の道なのだと思うと、それは険しい。

街道にはいくつもの石碑や茶屋跡の道しるべがあり、古の人々の旅の安全を祈る気持ちが伝わってきます。

東屋もあります。ちょうど良い休憩場所です。なぜだか雑記帳が置かれていて、たくさんのコメントが残されていました。意外にも多国語。

標高差はありますが、距離もあり、そのためずっと緩やかな山道が続きます。すれ違う人もなく快適で、とても歩きやすい道でした。

だって、登山道ではなくて、中山道なのだ。こんな道がずっと続きます。

多くの木は落葉していましたが、落ち葉を踏み踏みカサコソあるく道、ふかふかでとっても気持ちが良いです。

そして道中、赤々とした紅葉に出会います。かろうじて枝にとどまってくれている葉っぱたち。そしてその度に休憩♪

ごめん落ちちゃった🍁大丈夫、忘れないよ、君のこと。

散り敷く紅葉の赤い絨毯。踏みしめるのが申し訳ないような気持ちになります。葉っぱは皆で寄り添って温めあって、いよいよ冬支度がはじまります。

いやもう本当に、ほとんど人にも会わず、こんな素敵な道を歩かせて頂いていることに感謝です。もったいないぐらい快適な落葉の道でした。

相変わらずの山の相棒ものんびりテクテク、「信濃路やどこまでつゞく秋の山」(子規)

えっおいら?枯れ落ちるにはまだ早い(^^;)

紅葉の木々は殆ど落葉していましたが、こんなにたくさんの落ち葉に埋もれた道を見たことがないかもしれない、それだけで心が満たされるような気がします。

こりゃまた・・・帰りたくないぞ。。

木々がアーチを作ってくれて、見守られながら中山道は続く。

そしていよいよ標高1200mの旧碓氷峠頂上に到着。いきなり現代にワープしたようでした。ここには「熊野皇大神社」が鎮座しています。鳥居の真ん中から左側が長野県、右側が群馬県。そのため宮司さんも二人いらっしゃるそうです。

峠の名物、創業300年という「しげのや」さんの「力餅」。とっても美味しくてペロリと平らげてしまいました。あんこやきな粉もありましたが、おろし大根で。

旧碓氷峠「見晴台」。展望公園で一休み。軽井沢側からはここまで車で登って来られるようです。

浅間山、雪山シーズンにお伺いしたことありました、その後お元気でしょうか?

妙義山。。そのうち行きたい妙義山!

そして、軽井沢に向かって下山開始です。こちらの木々はもうすっかり落葉を済ませており、落ち葉も冬の眠りにつく頃でした。

もう少し早ければ真っ赤に色づく森に出会えたハズだと確信するほど、辺り一面の敷紅葉。

ちょっくら紅葉の葉っぱを集めて遊んでみました。これはこれで十分に紅葉を堪能!

午後3時頃、旧軽井沢別荘地界隈に到着。中山道を軽井沢へ。

そして、旧軽井沢銀座です。この界隈はとても多くの人で賑わっていましたが、このあと軽井沢駅まで舗装路を歩く距離が意外にも長く駅に近づくほどに閑散とする街並みがちょっぴり寂しくもあり、とはいえ憧れのリゾート地「軽井沢」を山女も歩くのです(^^;)

軽井沢駅からバスでスタート地点の横川駅に戻り、峠の釜めしをゲットして「峠の湯」(日帰り温泉)にて本日の紅葉散歩を締めくくりました。帰り道は渋滞を避けて温泉に浸かってのんびりしたおかげで連休最終日にもかかわらず約2時間でお家到着。釜めしはお家でゆ~っくり頂きました(*^^*)

本当は、真っ赤に燃える木々の下を歩きたかったのですが、なんやかんやで遅くなり、今年はすっかり散り紅葉の季節となりました。しかし思えば、色づく落ち葉に気を使いながら一歩一歩踏みしめて歩く道、人の気配もなくて意外にも、とても素敵で心安らぐ山行となりました。だってこんなに沢山の落ち葉に出会えるのはやっぱり山の中ならではです🍂

今が盛りと燃える葉っぱはとても誇らしくて手が届かなくて高嶺の花のような存在ですが、落葉してカサコソ風に舞う落ち葉は何とも親しみ深くて愛おしくて包み込んでくれるような優しさを感じます。

もう少しすると彩りを失い全ての落ち葉が冬の眠りについて新しい雪に覆われる季節がやってまいります。知らぬ間に季節は巡り山は秋を終う頃。今度会う時は美しい雪の華を咲かせる頃でしょうか。

どんな季節にもひたすら静かに淡々と終わりなき物語を紡ぎつづけてくれる山、その物語はぜひまた、きっと、ずっと…to be continued。。。