夏の北アルプス「唐松岳」でプチアルピニスト気分

あの頂きへ

真冬の雪の日に産まれたからなのか?猛烈に暑さに弱いです。なぜだか暑いと頭痛や吐き気体調不良をきたしてしまい、なので一般的に山シーズンと言われる真夏には、どうしてもハードな登山を躊躇してしまいます。

しかし、とはいえ、ベストシーズンであるわけで・・で、いつも何かと仲良くして下さる山ショップのスタッフさんに相談してみました。「とにかくとにかく涼しくて、ヘッポコな私たちにも大丈夫で、気楽で快適な山ありませんか?」すると、とっても素敵な山をご紹介頂きました!

ということで、今回は、先日の「海の日」って、え~っ海の日やっちゅうのに、北アルプス白馬連峰「唐松岳」標高2696mの天空の別天地目指して、ヘッポコ店主夫妻の登山レポートでございます。

ここ数年、夏の定休日は実家がらみの色んな用事に追われてしまい、真夏のちゃんとした登山は初!といっても良いほどなのですが、今回体感したことは、とにかく夏の山は高山植物がキレイ、可愛い、しかも咲き乱れるという感じ。素敵なニッコウキスゲの高原歩きも、ちょっと感動ものでした!

「唐松岳」へのアクセスは、JR白馬駅から車で5分の「八方駅」から、な、なんとゴンドラあり!そうなんです。私たちヘッポコは2000を超え3000にも近いなんて雲の上には、下から自力はちょっと・・・(–;)、なのでやっぱり、またもや文明の力を借りての山業でございます。

八方駅からのゴンドラは長野オリンピックが開かれた八方尾根スキー場のゴンドラリフトで今も五輪のマークが残っています。そのリフトを乗り継いで、登山スタート地点は既に標高1830m。へへっ(^^; すでにもうかなり涼しい高原からのスタートでございます。往路→4時間、復路→3時間、標準タイム7時間プラス朝ご飯&お昼ご飯休憩込みで8時間ほどの山歩き。高山ということもあり、なかなか歩き応えのあるアルプスの山でございます。

ではでは、高山植物のお花畑を行く楽ちんリフト、ややガスってはいましたが、朝7時スタートでLet!s Go!!

リフトを降りてテクテク歩くと、あっという間に第一ケルンに到着。ケルンの向こう側には白馬連峰!アルプス来た~(゚∀゚)って感じでテンションが上がり始めます。

実はここ唐松岳は、中腹にある「八方池」という雪解け池が有名で、その池までは歩きやすい木道が整備されています。山頂を目指さずに、八方池まで行って戻るというハイカーさんも多くて、観光気分で山歩きが楽しめるのも魅力です。

気持ちの良い木道。

そして、リフトを降りて小一時間で、その「八方池」が見えます。青々とした池の色は、夏の美しい空を溶かしたようで、思わず、きゃーキレイ(o^^o)

登山コースを外れて、池の辺りで朝ご飯にすることにして、降りてみると、これまた絶景ではありませんか!本当に、空も雲も白馬三山の山並みも、池の水に写し取られて、青、青、青~!!それになんと、カメラを向けたら向こう岸のハイカーさんが万歳してくれましたヽ(^_^)ノ

さて、絶景スポットで持参したサンドイッチを頂きました後は、ここからが本当の山登り!すでにもう標高2060mではあり、頂上との標高差は大したことないものの、いやいや侮れませぬゆえ、気を引き締めてスタートです。

ここからは登山エリアということで観光ハイカーさんはいなくなり、ゴロゴロ石の連続です。決して歩きやすいとは言えませぬが、それでも青空がひたすら爽快感をあおりたててくれますので、歩け歩け♪

そして、しばらく頑張ると、まるでご褒美のように涼しい風を感じると思ったら、なんと「雪渓」です。さすがアルプス、下界はうんと暑くても、真夏の日差しが降り注ぐ中でも、ここには雪が残るのですね。ハイポーズ!

ハイマツの茂る登山道をひたすら進みますが、気温は低くても日差しが熱い!やはりこれが夏ということなんだ、日焼け注意!日焼けどめを上塗りして進め進め。

するとまた小さな雪渓が!ちょっと一休みしましょうか。この季節に雪に触ることができるとは思いがけぬ体験です。

この先は草原の坂道。とはいえ足元はゴロゴロ石や岩の連続です。ニッコウキスゲが咲く高原の夏の坂道。

登りきると最後の目印、丸山ケルン、標高2430m。

そろそろ、太陽の日差しが眩しすぎて裸眼では耐え切れなくなってきましたので、仕方なく、柄でもないけどサングラス~装着!目指せ、白馬連峰~!

えっ?なんでしょう?振り向くとヘッポコ相棒が空を指差し、俺の空は晴天なり~(^^;

高度が上がるほどに、ガスが湧いてきたり雲がかかったり、ガスの中に可愛い白いお花の群生を発見、何かすごく可愛いお花たち、これ何の花!?

これ、高山でしか出会うことのない夏の花「チングルマ」です。夏山シーズンを逃してばかりでしたので、ずっと会いたかったのです、チングルマ!ややバテはじめてきたところでしたので、ちょっと幸せ(^_^)

さて、ここからは真面目に頑張らないと!

実は私、猛烈に高所恐怖症でもあり、何てことはないこの橋も左側はズドン、ズルズルと2500m。想像すると怖くて足がすくむので、見ないことにします。が、見ると雲が下にあり、もしかして落ちても雲さんの上でフワフワ♪なんてことはないわな!気をつけて。

ほどなくして、やぁ~と、山頂手前の山小屋「唐松岳山荘」標高2620m到着です。
おっおぉ~!あれが山頂。なんとも美しい姿です。この景色だけで十分!なのですが、ヘッポコ相棒が、登頂して戻ってから小屋で昼ごはんだっ!って元気に申しますもので、休まず進め。あの頂へ!!

見た目よりも何とかなるもので、崖場をズリズリしながらも20分ほどで山頂です。
これまた絶景!山頂はぐるりと360度の展望で、アルプスの山々が一望できます。おかげで強風にさらされる山頂ですが、ちょっとしたアルピニスト気分にどっぷり浸って、どうだ<(^^^)>
右肩奥に見える尖った山は、あれ、あれこそがかの立山連峰「剱岳(つるぎだけ)」です。ムフフっ(^_^)

剱岳にズーム!!
立山連峰、立山の雄山には以前に雪山登山で登頂したことがありました。そういえばあの時もとっても怖かったのですが、山頂の醍醐味は忘れられません!でも、と、とはいえ、剣岳はねぇ・・・(>_<)とりあえず手を振っておきました。

山頂はリビングほどの広さですが、大勢の登山者が登頂の清々しさを堪能されていました。もちろん私も(*^_^*)ここは雲の上!!

もくもくっ(´∀`)

唐松岳からは白馬三山への縦走ができます。できるものならチャレンジしたいのですが、一箇所たぶんムリだと思う難所あり。「不帰ノ嶮(かえらずのけん)」という崖場を通らねばならぬため、白馬岳に行くにはここからではちょっとムリかな。。。
あっちが白馬岳方面。いつかまたね。

そしてこの足元から下がその難所不帰ノ嶮。何しろ「不帰」ですもんね(–;)

そして、この先の稜線が「唐松岳山荘」方面。

山頂で暖かいお茶を飲んで、ひとしきり風に吹かれてから、上がって来た道を降ります。だってお昼ご飯まだですしっ(^^;

上から見ると意外となだらかに見えるのですが、振り返るとこんな感じ。ヘッポコ相棒が転げ落ちて来そうで怖いです(>_<)

でも、こんな岩だらけのところに、発見!高山植物の女王「コマクサ」です。いやもう、このコマクサにも会いたかったのです!今回は、チングルマもコマクサも、会いたかった二大女王にお会いできてとても幸せでした。

唐松岳山荘ではお昼ご飯を食べることができます。なのでカレーとラーメンを頂いて、のんびり。多くの登山者さんがお昼ご飯を食べていらっしゃいまして、丁度12時前ぐらい。とにかく風が強くて火照った体に心地よいです。

そういえば小屋前で、ベテランさんの男性が「あれ剣だよ!今日は天気がイイね」って話しかけて下さるので、「うん、剣さんに会えてワクワクです。でも私にはとてもムリです(>_<)」って申しますと「えっえ~っ!大丈夫ですよ!ガンバっ」って・・・いや、ムリだって、何しろ異常な高所恐怖症ですもん(;_;)でも、記念撮影は怠り無く、剣さんとツーショット!

もっとズーム!立山連峰剣岳!

そういえば、2時頃までには下山オススメと言われていました。白馬連峰は午後になるとガスに包まれてしまうことが多いので道を踏み外してはならぬため、早め下山。

だから、下山下山、連休最終日ということで帰りの高速渋滞も心配だし(^^;って降り始めて小一時間すると、本当にガスが上がってきてしまいました。

八方池に戻る頃には真っ白。

木道は先の見えぬ白い世界になってしまい・・・

3時頃にリフト乗り場に無事に下山いたしましたが、表情が目まぐるしく変わるのもアルプスならではかもですね。もちろん、下界は清々しい晴れ!なのですが(^^;

ということで、本日も長々と夏山景色にお付き合い下さり誠にありがとうございます。
近ごろでは、山歩き始めました!ってお声もチラホラお聞きするようになり、ちょっと嬉しい限りです。ここ唐松岳は、八方池までの往復でしたらスニーカーで!登山はトレッキングシューズが必要ですが、たくさんの登山者さんがあり、道迷いもなく、日帰りで快適なアルプス体験のできる山でございます。ご興味ありましたら、麓にはたくさんの温泉宿がある白馬、夏のレジャーにもオススメです。

あっ、それと、紫外線対策にはサングラスが必需です。イマイチ馴染めない私ですが、ヘッポコなりにアルプスの景色を堪能してまいりました。もちろん下山後には温泉に浸り、本格的な夏に向けてパワー充電!

最後に、山でであったお花たち。
(左上)シモツケソウ(右上)ニッコウキスゲ(左下)タテヤマウツボクサ(右下)イワシモツケ

(左上)キンコウカ(右上)ヨツバシオガマ(左下)ミヤマアズマギク(右下)クガイソウ