この夏はお休み前日に突然の予期せぬ報せが届きまして(予兆もなく自宅で眠っている間に旅立った義母でして)そのためいつもの相棒ヘッポコはガクンとヘタレになり、ふるさとは遠くて重くて深く心沈む夏休みでございました。
なので行くはずだった雲の上、天空の楽園小屋は遥か彼方(山小屋っていつでもキャンセルできるのはありがたいのですが)手も足も届かず、このまま夏休みが終わるのかとうなだれていたのですが、終わり間近になって、やっぱ行こう!と申すもので、ふむふむ、ほんじゃまぁちょこっと歩きますかと、日帰りでも行ける秘境ハイキングへと足を伸ばしてまいりました(*^^*)
ということで、奥日光の懐深い緑の森、突如と姿を見せるエメラルドグリーンの湖、重い肩の荷も下ろす広々とした草原、飽きることのない素敵なハイキングでした。
奥日光「切込湖・刈込湖」夏休み終盤駆け込みレポ、気持ちの良い景色にしばしお付き合い下さいましたら嬉しいです。
切込湖・刈込湖ってどこなの?と申しますと、奥日光「戦場ヶ原」のもう少し奥、日光湯元温泉の源泉をスタート地点として山の中へ緑を分け入りズンズン進むと忽然と現れる大きな湖です。
夏休み終盤は往復渋滞もなくて都内から片道約3時間強。気持ちが緩み寝坊して湯元温泉スタートはお昼の11時(^^;)でしたが、湖畔ランチも温泉も堪能して自宅帰着夜9時前と、程よい夏休みの休日でした。
傷心のヘッポコとぶらぶらお散歩がてらのハイキング、歩いたコースは湯元ビジターセンターさん配布のこちらのマップに従い、湯元⇒光徳までの約8キロ、帰りは湯元で温泉に浸り、標高1400~1700mの猛暑でも涼しい贅沢山旅、今回もハリキッテ Let’s go!
スタート地点はここ、湯元温泉の源泉場です。水たまりみたいなところからポコポコとお湯が噴き出ていました。自然湧出型の源泉!こんな風に温泉って湧き出るんだっとちょっと感動。硫黄の匂いが立ち込めていました。ハイキングコースはここから緑の中へと突入です。
この日は台風一過で都心では高温注意報が出ている日でした。でも、すでに標高1400m、涼しいです。
以前に湯元温泉に来たのは「日光白根山」を登った時でした。あの時はGW雪山登山。思えばこの涼しさはGWまで雪の残る奥日光ならではです。(日光白根山山レポ)
ハイキングと言っても山道です。お散歩ハイキングではなくトレッキングという感じですが、登山よりはラクチン、しかも緑のトンネルの中なので日焼けもちょっと安心かな。
道もきちんと整備されていて、ヘッポコ的にはスキップ状態(^^;) 酷暑でも空気はヒンヤリと頬を撫ぜてくれます。
きっと紅葉の季節もうんと美しいのだろうなと思って見上げると、木々の彩りがさぁ~と移り変わるように見えました。
湿気を帯びた山の中は緑の苔があちらこちらの岩肌を覆い、苔フェチのヘッポコにはたまらないようで、苔を撫で撫でして蹴散らして、深緑の山中を軽快に飛ばしておりました(^^;)
1672m地点の「小峠」到着。岩を伝って雫がポタポタと落ちて、手の平に集めて首筋を冷やすとヒンヤリと沁みました。
立派な長い長い階段をダダダぁ~降ります。
おっ、見えた、天然のエメラルドグリーン!なんとスタートから小一時間で、このコースの1番目のハイライト、神秘の湖「刈込湖」到着です。
キャッキャッキャッと転げ落ちるように吸い寄せられて湖畔に佇み、カメラのシャッターを押し続けてしまい・・・
だって、すごいんです。何故だか砂浜もあり、水面は山や空を映してあまりにも美しく、しかも静か~に風に波打つ姿には汗も引き気持ちもふわっと穏やか~になります。
湖畔にはちゃんと木陰もあって、まるで絶景ロケーションの休憩場所を用意してくれているみたいです。
とりあえず、湖畔を歩くと湖面をシュワシュワっと風が走り帽子を飛ばされそうになりました。なんとも涼しくて、こりゃ雲の上も良いけど、高原の水辺も捨て難い。
この場所を最初に見つけた人はどんなにか感動したことでしょう。何しろ、歩いて行かねば出会えない景色です。
ここが山の中だなんて・・・信じられないです。一見の価値あり!観光名所の中禅寺湖や湯ノ湖などとは比べ物にならない静かな湖畔です。
もちろん、水に手を入れてみました。ちゃぷちゃぷ、ちゃぷちゃぷ。緑色の水も手にすくうと透き通っていて、ちゅっ、ちゅめたい(^^;)
一番深い場所は水深15mなんだそうです。
たっぷりとした木陰にレジャーシートを拡げて一休み。周りの山から水が流れ混んできていて、せせらぎの音を聞きながらお昼ごはんのラーメンを作りました!
あっ、アキアカネ。たくさん飛んでいました。とにかく空気はヒンヤリ冷たくて、風は心地よく、山には一足早く秋の気配が漂います。なんだかトンボが羨ましいぞ。
立ち去りがたく、湖畔に佇むうちになんと1時間もここで過ごしてしまいました。
ちゃぷちゃぷ、もう行くよ!と言われるまで、ちゃぷちゃぷ続く。だってホントに気持ち良いのです。
山の緑も青い空もとても素敵ですが、やたらと水の中にもぐりたいと思うのはやはり・・・水の中から生まれたからでしょうか。。。
上から湖面を見ると山の緑と空の青を混ぜ混ぜして映し出し、天然色のエメラルドグリーンです❣
刈込湖と切込湖は繋がっていて、切込湖は湖畔に降りることはできないのですが、やはりエメラルドの輝き✨
そして、テクテク、ここも奥日光独特の湿原地帯の延長なんだなと思わせる緑の小道。
途中、黄色いお花の花畑がありました。
この季節あちこちで見かけた黄色いお花。
黄苑(きおん)。深山に育つキク科のお花、夏から秋へと花を咲かせて、山はそろそろ秋が始まる頃でした。
そして、このコース2番目のハイライト「涸沼(からぬま」到着です。
日光の湖や沼は、火山活動により流れ出した溶岩が水をせき止めてできた「堰き止め湖」だそうで、先ほどの刈込湖・切込湖もそう。そしてここの涸沼もそうなんですが、ここは水が枯れて広い広い草地の草原地帯になっています。
すげえ、緑いっぱいでもったいないぐらいだ!あっちにもこんな場所あるのかなぁ?
あっちって?
あっちはあっちだよ!
あ~あっちね(*^^*)
うんあるよ、言ってたもん!
だれが?
うちのお母さん。だって少し前にあっち行ったでしょ、すっかり慣れて快適だってこの間言ってたよ!
へぇ~ならいいけど(>_<)
ふふふんとシミジミ草原を眺めるヘッポコ(^^;)
ベンチもあってちょこっと休憩できる絶景ロケーションです。
可憐なノアザミにアリさんが・・ここではオーガニックな蜜ばかりでアリさんも健康そのもの。
そして、ゴールに向かって、また山の階段をテクテク。
木道は鼻歌交じりにスキップして、
笹の小道は、小枝を振り回してお散歩気分で、
ダケカンバと白樺が高い空に向かって緑を輝かせる中、
いつの間にか、森の中の住人になれたような気分でした。
あっまさかの熊(@_@。ごめんヘッポコでした(^^;)
そして、あれよあれよとゴールに到着!思いがけぬ夏の休日、神秘の湖に癒された緑色の一日に大満足です。
ゴール地点の光徳牧場にて、アイスソフトで乾杯♪お疲れ様でした。
この後、奥日光高原ホテルにて日帰り温泉に浸り、さっぱり快適になる頃には夕方となり、雨雲に煙る湯ノ湖と兎島をシミジミと眺めがなら、湖面に山肌を映す静かな湖を後にいたしました。
この夏は予定通りには過ごせぬ夏休みでございましたが、それでも最後にはやっぱり山の中で汗をかき、貯め込んだ色んなものを出してしまうと、ほ~っと気持ちが癒されます。
モヤモヤにまみれた日常から飛び出して、たまにこんなところに身を置くと、もしかして本当に「あっち」の世界はこんな素晴らしい自然に包まれた世界なんじゃないかなと思えてならず、ゴールに着く頃には、本当にそうなんだ!とヘッポコと二人、確信をもって納得してしまうほどでした(^^;
この現世では刻一刻と家族が旅立ち寂しさが積もってまいりますが、「あっち」がこんなところなら安心です。
いつかまた、こんな素敵な「あっち」の場所で再会できることを夢見て、私たちはもう少し「こっち」で頑張ってコツコツ歩いてまいりましょう(*^^)v
残暑が続きそうです。どちら様もどうぞ暑さ疲れが出ませぬように、ご自愛くださいませ(*^^)v