標高1800mのサンモリッツは、夏も爽やか~な気候のリゾート地。サンモリッツには氷河特急で夜に到着して(氷河特急乗車の様子は後日の街歩き編にて)2泊しましたが、実動は1日半と短い滞在でした。だから欲張らずに、まず私たちの目的は、赤い可愛い列車「ベルニナ線」に乗ること。旅も終盤となり、ここではのんびりと、ムオタス・ムラーユ辺りの高原リゾートハイクを楽しもう!と思っていましたが、初日の朝は☔。
予報アプリでは午後3時頃には止みそうとなっており、どうしよう。少々疲れも溜まってきたので、高原ハイクは諦めて、お昼近くなり雨が小降りになったところで、湖畔の散歩道を歩いてベルニナ線の駅ポントレジーナへと向かい、雨が上がったら展望台に行くか、ということに。
(行程)サンモリッツ湖➨シュターツ湖➨ポントレジーナ➨ベルニナ・ディアヴォレッツァ➨ディアヴォレッツァ展望台➨サンモリッツ
※ハイキングコースは赤色。鉄道やゴンドラ・ロープウェイ移動は緑色。


サンモリッツ「雨の散歩道」幻想的な森の湖
爽やかなはずのサンモリッツですが、雨が降ると寒い。とにかく、またしてもゴアテックスを着込んで、傘をさして、雨に煙るサンモリッツ湖畔を歩き始めました。

湖畔は遊歩道が整備されていて、時々ベンチもあったりして、もしお天気が良ければ、どんなに気持ちよいことでしょう。

サンモリッツ湖の湖畔から少し林の道を抜けると、小さな湖がありました。シュターツ湖。

湖畔にはホテルレストランがあるようです。きっと晴れた日はテラスでランチなんてイイのだろうな、と思いつつ、雨止んでくれないかな~☔。

シュターツ湖畔を通り抜けると林の中に入りました。こんな日でも何組かの外国人ハイカーさんとすれ違いました。声をかけてくれる人もありましたが、何語なのか言葉がわからず💦きっと、雨の日は雨の日で楽しまなくちゃ!とおっしゃっているに違いない!笑顔で “Hi!yes,thank you♪”

そろそろ雨あがるかも~と言いつつ、ヘッポコ相棒は重装備💦

霧が忙しなく流れています。何を急いでいるのかな?もしや青空を見せてくれようとしているのかもしれない。山肌が見え隠れ。

木々が☔を遮ってくれるので傘を畳みました。あっ、あっちに青空が。

出発から小一時間で、ベルニナ線の駅「ポントレジーナ」に到着しました。その頃には、願い通じて雨が止みました。降り続く、ということがないのがスイス山岳地帯のお天気なのかな~ありがたい。

圧巻の氷河「ディアヴォレッツァ展望台」
ちょうどやって来たベルニナ線に乗って、雨具を脱いで、展望台のある駅まで向かうことにしました。ふふ、乗れた💗
スイスの列車はどれも、二人または四人掛けの向かい合った座席になっていて、二人席が空いていれば良いけれど、だいたい他所の国の人と四人掛け席に一緒に座ります。あまり話すことはないけれど、特に地元スイスの方はシャイな感じです。雨の中を歩いて来た私たちが濡れたものを必死でリュックに入れていると、自分の隣の席を指さして「荷物を置いてね」というジェスチャーをしてくれたりして、なんだかホッコリします。

ポントレジーナから20分ほどでベルニナ・ディアヴォレッツァの駅に到着。赤い列車、レーティッシュ鉄道ベルニナ線は、サンモリッツ~国境を越えてイタリアのティラーノを結ぶ登山電車です。沿線の多くが世界遺産に登録されているエリアを走ります。そしてベルニナ線は、1979年に箱根登山鉄道と姉妹提携を結んでいるとのこと。2014年にはサンモリッツと箱根は友好都市協定も結んだのだそうで、ふむふむ。(そういえば箱根は山歩きを始めた頃に何度か行きましたが、最近はご無沙汰。帰ったら久しぶりに箱根の登山鉄道にも乗りたいです)

さて、ここから、あのゴンドラに乗って、ベルニナ・アルプスと氷河の世界へと行ってまいります。朝の雨が嘘みたいに青空。

ゴンドラがゆっくりと標高を上げていくと、乗って来た列車がおもちゃみたいに見えたりして、雨雲を散らす山並みの中に、あの湖はラーゴビアンコ。

雲を潜り抜けて、標高2978mディアヴォレッツァ展望台に到着です。

うひょ~なんと、目の前に氷河!この旅では何度も氷河の世界を目の当たりにしてきましたが、ここではすぐ目の前に大迫力の光景が広がり、うわぁ~と声をあげてしまうほどでした。
さっきまで雨だったのに、ここでは日焼け注意!必死で日焼け止めを塗っていると、どこかの国の女性が「それ大事よね、私も塗るわ」的な仕草で自分のバッグから日焼け止めと思われるお洒落なチューブを出して「これね」って感じで見せて笑ってくれました。なんか嬉しい。
左の山は「ベラヴィスタ(3922m)」、右の雲がかかった山が「ピッツ・ベルニナ(4048m)」、まん中に流れるのは「ペルス氷河」です。

この崖を駆けおりれば氷河に到達できそう。遮る柵も何もないので、ひょいっと行ってしまいそうな気分になります。

ヘッポコ相棒は何枚も何枚も同じ写真を撮り続けておりました💦

何千年もの間、決して融けることのない氷の河、地球温暖化が進むとどうなるのか?ということが度々話題になりますが、もし溶けたら…
ずっと氷の中で眠っていた何者かがムックリと目覚めたりして、そしてまた、私たちが知らない何か重大な真実が解き明かされたりしたりして…、もしくは、その何者かが地球を救うとか?と、妄想が…。そんなことを思い始めると、ここに悠久の歴史が横たわっているのだとシミジミと思うわけです。

もしかして、何かが起きた時のためにも(^^;)、これはやっぱり動画に収めておかなくては!
そんなこんなで随分と長居をして体が冷え切ってしまいました。ゴンドラ駅の売店の営業時間が終了し、そうか、明るいけれどもう夕方なのです。
というわけで、雨の散歩道からの圧巻の氷河まで、この日も有意義な一日を過ごしました。
翌日いよいよ、青空の下の、ラーゴビアンコ湖畔からベルニナ沿線ハイキングへ➨https://howamowa.com/?p=33371