夏休み、今年はちょっと足慣らし^^?このほど「世界文化遺産」に登録されました霊峰、世界的にも有名なパワースポット富士山へ行ってまいりました!
それにしても富士山は「自然遺産」としての登録ではなくて「文化遺産」!なになに^^??で少しだけ調べてみましたら・・・富士山が世界遺産に登録された背景は、古くからの数多くの信仰や芸術、その周囲にある神社や登山道、洞穴、樹型、湖沼など数々の文化財を含めて、その歴史や文化、芸術性の高さが評価されたということで、そういう意味では、「自然遺産」への登録が難しかったという残念さ以上に、日本人としてはとても嬉しい結果ではないかと思います。
ということで、わが家では、この夏は「富士山へ行こう」。しかもその文化遺産の構成資産の一つである「吉田口登山道」、古くから富士講信者たちの登山道として整備され、唯一麓から頂上まで歩いて登れる登山道!ここを歩くことにいたしました!うん^^v
一般的な富士登山といえば、バスで5合目のスバルラインまで行き、そこから頂上を目指すものですが、今回は麓から歩くのです!というのは、わが家では夫も私もずーーーと前に、その五合目~山頂にタッチの経験があることから今年はやはり足元を固めねば・・・ということになりましたのです^^;
出発は、ここ「馬返(うまがえし)」からです。
本当はその手前の「浅間神社」を起点とする吉田口登山道ですが、馬返というのはここから先は道が険しくなり馬を引くことができないため、ここで馬を下りて身支度を整えてイザ登山に挑んだという場所です。
さっ出発 まだまだこの辺は道も整備されていて、まっ気楽にハイキングよね^^?って思いきや登山道に入ってちょっとビックリなのは、なにかこの樹海のスケールがでかい。
しかも、ひと気もなくなんだか心配な気持ちではありましたが、あっという間に一合目に到着。
馬返がすでに標高1,450mでしたので一合目まではほんの15分です。
一合目には「鈴原天照大神」、富士山の神様のお社があったようですが、現在は麓に引っ越して名残の廃屋がありました。
この吉田口登山道は1964年にスバルラインができたことで歩く人が激減したため、この先も五合目までは茶屋や社などの多くの廃屋に出くわします。さらに、この日にこのルートで出会った登山者はわずか数人でした。しかも、すぐに実感することになるのですが…意外とキツイ、これはハイキングではなく地味な登山と言うべきでした(汗; だからでしょうか?そのたま~に出会う登山者は男性ばかり^^; お洒落な山ガールさんは一人もいませんでした。。。おかしいな・・楽しいのに~もっと宣伝せねバ^^;
そして、30分ほどで二合目に到着です。二合目には富士御室浅間神社が祀られていますが、現在は麓にお引越しをしていて立ち入り禁止です。でもここは鎌倉時代からお像が祀られていたのだそうです。
また二合目には沢があり橋がかけられています。富士山には水のある沢が少ないのでちょっとホッとしますが・・・それもつかの間^^?
いや、やっぱりキツイです。。とはいえまだちゃんと階段も整えられているので助かるのですが、一段一段はとっても高いです^^;
で・・・三合目到着~!
三合目は茶屋が二件あったそうでその廃屋が残されていました。
一つは早朝に麓から登山を始めて、ちょうど昼食をとることが多かったということで「中食堂(ちゅうじきどう)」または「三軒茶屋」とも呼ばれていたそうです。 もう一つは、ここから富士五湖が見渡せたそうで(今は樹木に覆われて見えませんが)「見晴茶屋」と呼ばれ、子授けの弁財天が祀られていたそうです。
江戸時代にはたくさんの参拝客で賑わったことを彷彿とさせる吉田口登山道、この三合目を過ぎるあたりから勾配が険しくなってきます。そして四合目ではいよいよ標高2,010m。ここには大黒小屋という茶屋が一軒と、大黒天さまをお祀りしていたお堂があったそうです。その大黒天さま、夏の初めに背負って山を登り秋にはまた背負って山を下りたのだそうです。
そしていよいよ足元が厳しくなってきました。
良く見るとこの地面は溶岩が流れてできた後のような・・・ごつごつとした岩場が続きます。
そしてこのすぐ先の旧5合目には「中宮」と呼ばれる場所があり山小屋が数件あったそうです。江戸時代には入山時に122文を払わなければならなかったそうで、その際に発行された登山切手を回収する場所でもあったようです。
そしてまた、その「中宮」は、上の「石山」と下の「木山」とをわける「天地の境」でもあったそうで、この先は神仏の住まう場所であり、古くはこれより先に小屋を建てることは許されなかったのだそうです。
なるほど「石山」になって来ました・・・樹木も様子が変わって来ましたところでちょっと一休み。
そしてようやく、現在も営業されている五合目の山小屋「佐藤小屋」に到着です!
ここで実は兎が飼われていたのですが(暑さに弱い兎にはぴったりの場所です)、しかし到着時にはあまりの疲れに兎さんに挨拶するのを忘れてしまうほどでした・・・残念!
で、でもでも、なんとやりました~!この小屋の先には、こんな景色が広がっていました。
やっと樹海から抜け出して、頂上はもうそこ!ちょっと感動~です。
この先には五合目のスバルライン口(小御岳社)へ向かう小御岳道と、そのまま山頂へ向かう登山道への分岐点があります。
この辺りは、「木山」と「焼山」の境でもあったことから、信仰的にも重要な場所でかつてはここに鳥居があったそうです。これ以上の登山の難しい人はここから頂上を拝んだのだそうです。
で、ここで一礼しつつ・・・でも私たちは、もう少し頂上方面に向かいます^^
すると六合目の山小屋「星観荘」に到着し、「すみません~お水飲ませてください^^」
この小屋を過ぎると日蓮上人が100日修業を行ったとされるお堂がありました。もう木々は低木になり、地面はだんだんと焼山の風合いを増してきましたところで・・・六合目の世界へ到着です!!
やった~!「馬返」からここまで、私の足で3時間弱の登山でした!
さすがに六合目標高2,390mでは汗がスーーとひいていくのを感じます。
スバルライン五合目からここまではほぼ平たんな道ということもあり、バスで観光に来られる人も大勢あったり、またここから山頂を目指す方が殆どということもあって、ここへ来てやっとたくさんの人に出会うことができました。
今回の予定はここまでなのですが、ふと上を見ると・・・まだまだもう少し行けるんじゃない!?七とか八とか・・・ついでに行ってみる?そんな意欲がむくむくと涌いてきて・・・う~ん、、行きたい!!
すると・・・こんな看板を発見!
だよね!ムリをしてはいけません^^お腹も空いてお弁当も持ってないことですしっ・・・スバルライン五合目のレストランでカレーでも食べましょう!!
富士山は登ってもいいし、見ていてもいいし、本当に魅力的な山でございます。
一般的には山頂登山は7月8月ですが、今回歩いたコースは4月~10月まで楽しめます。
秋の紅葉の季節などは、きっとまたとても懐深い富士山を味わうことができるに違いありませんね。
新宿から富士山駅まで高速バスが出ていますので、日帰りでも行けてしまう。とはいえできれば温泉に一泊がいいかな。
さいごに・・・富士山を詠んだ句はものすごくたくさんありますが、やっぱり西行のこの句で、夏休みの日記を終わりたいと思います。
「風になびく 富士の煙の 空にきえて 行方も知らぬ 我が思ひかな」 (西行)
う~ん、修業の日々はまだまだ続く。。。^^;