GW前半の4/28~5/1の3泊3日、八丈島に浸りました。行きは4/28東京竹芝22時半出航の船に乗り、帰りは5/1八丈島13時45分発の飛行機で羽田に戻りました。
島内観光の足はやはり車(レンタカー)がありがたく、島をぐるりと一周する「八丈一周道路」は総距離45キロ(島内の速度制限は40キロが大半のため所要時間約1時間半)コンパクトでありながら、楽しみも感動も随所に散りばめられた奥深い島でした。
八丈島は雨が多いと噂通りでしたが、それでも晴れ間には青い海にも会えて十分に楽しめた3日間でした。南西諸島のような晴れやかなリゾート地ではありませんが、その分「人混みゼロ」のんびりと波の音や森の静寂に浸り、悠久の歴史や文化にも触れることができます。
3日間を振り返り、トレッキング以外に訪ねた観光スポットも含めてまとめてみました。
まずは、最終日の朝、待ち焦がれた朝日から(*^^*)v
底土港の朝日
この時期、八丈島の日の出は5時前です。4時半に目覚ましをかけて窓の外を見るとどんよりとした曇り空、。それでも一縷の望みをかけて、レンタカーを港へと走らせました。
日の出時刻の5時を周り、きっともうお日様は水平線から雲の中へと上がったはず。あっ、あそこが赤くなってる。
港に人影はありません。ただカモメたちの鳴き声は賑やかで、朝ごはんの調達に忙しそうです。
しばらく我慢して海を見つめ続けていると、雲を押しのけて太陽が顔を出してくれたではないですか!
沖合いに船が停泊していて、何の船だかわからないのですが、まあるい太陽が真っ赤に昇りました!
これまた、諦めていただけに、猛烈に感動してしまい、この時どれだけの写真を撮っただろう。同じ写真が何枚もスマホやカメラに収まりました。
一旦雲に隠れてしまった太陽でしたが、次第に空へ空へと昇っていくにつれ、沖合いの船が明々と照らされます。何しろ海面が輝く様子は、とてつもなく幻想的で、言葉もなく見つめてしまいました。
やがて、上空の雲の中へと隠れてしまう瞬間、光のカーテンが船を照らし、これまで体験したことのない素敵な朝焼けを見ることができました。
真っ赤に空を燃やす朝焼けも夕焼けも見ることはできませんでしたが、静かな波音の中、穏やかで幻想的な朝日を見られたことは、とても嬉しい思い出になりました。
~3日間の八丈島ふりかえり~
八丈富士/ふれあい牧場
滞在中、最も人に出会った場所は「八丈富士」です。登山装備なしでもジーンズ&スニーカーで散策できる「お鉢巡り」は、小さな子供連れのファミリーも私たちのようなヘッポコ夫婦も、たくさんの人が楽しんでいました。八丈島ではぜひに行く場所でもあり、晴れれば島全体はもちろん、素晴らしい海と大絶景の火口を体験できる、ここでしか味わえない場所でした。
八丈富士7合目登山口の近くにある「ふれあい牧場」は天空の草原のような場所です。展望台からの眺望は素晴らしい!
※詳細レポート➨https://howamowa.com/?p=30687
南原千畳岩海岸
八丈島が火山の島だと実感できる浜辺はここ「南原千畳岩海岸」。しかも八丈小島と八丈富士を見渡せる広大で険しい岩場は、八丈島の厳しい環境と素晴らしい大自然を体感します。観光スポットしては絶対外せない場所でもあります。
何しろ、「宇喜田秀家」とその妻「豪姫」が海を見つめる姿は、想像と妄想が膨らみ、胸がキュンとします。ただただ晴れやかな海ではなく、悠久の歴史へ思いを馳せる時間が波音とともにゆっくり流れます。
※詳細はこちらの記事後半に➨https://howamowa.com/?p=30687
大坂トンネル展望台
八丈島ガイドブックの表紙にある景色。ここは展望台になっていて、晴れれば素晴らしい夕日スポットでもあり、島巡りには必ず通る場所でもあり、目に焼き付けておきたい場所。
唐滝・硫黄沼
神秘の森と泉でプチ冒険気分を味わえる「唐滝・硫黄沼」。ちょこっと軽登山的な要素がありますが、南国ならではの植生を感じることができ、多少の雨でも散策可能。ヘッポコ相棒はよほど感動したのか、帰ってから何度も良かった良かったと申しております(^^;)。雨の中でも「行って良かった」場所でした。
※詳細レポート➨https://howamowa.com/?p=30769
登龍峠/名古の展望台
島内の「八丈一周道路」を走ると、何か所も展望台に出会います。本当に、お天気さえよければどんな絶景だったのかと思いますが、それでもめげずにドライブを楽しみました。
一周道路の中で最もクネクネと曲がりくねった道「登龍(のぼりゅう)道路」。天に上る龍のように曲がりくねっていることから名づけられたようで、龍がいました。
登龍峠(のぼりゅうとうげ)は、八丈島でも絶景の展望スポットだそうで、本当なら八丈富士が見事な姿を見せてくれる場所。この日は雲の中に隠れてしまいましたが、それでも海は青い。
途中、山桜が咲いていました。春の最後を告げてくれているのでしょう。島は間もなく初夏へ!
ここも景勝地「名古の展望台」。断崖絶壁の上にある展望台で、晴れていれば青ヶ島まで見渡せるのだそう。ここは名月鑑賞の場としても有名なのだそうです。島の青年と恋に落ちた娘さんが一緒に月を眺めて愛を語り合い島に嫁いで来たのです、なんて物語があるやもしれず(^^;)と妄想してしまいました。
裏見ケ滝
ここも楽しみにしていたのですが、なんと滝の水がせき止められていました。どうやら災害があったようで一時的にストップ。
本当なら、この崖の上から滝が落ち、遊歩道は滝の裏側を通ることができるはずでした。ちょっと残念。
黄八丈「めゆ工房」
八丈島と言えば「黄八丈」なのです。山や森ばかり歩いていますが、ここもぜひ訪ねたい場所にピックアップしていました。閉館間際に滑り込んだにもかかわらず、ビデオを見せて下さったり、機織りの実演をして下さったり、残念ながら織上りの反物は全て東京や京都の問屋さんが買い付けられているということで一反も見ることはできませんでしたが、伝統的な技法を守り続けている数少ない工房です。
島の名前はこの「黄八丈」が由来なのだとか。ちなみに織子さんたちは、八丈島出身の方というより黄八丈に魅せられて本土から来られた方が多いのだそうです。私、ついこの間まで着物屋さんの女将をしていたにも関わらず、黄八丈を持っていません。というか、そもそもお店で黄八丈を紹介したことはなかったな~なんだかちょっと残念な気持ちが押し寄せてきてしまいました。機織り体験とかしてみたかったけれど、トレッキングに忙しくて断念、小さなペンケースをお土産に買いました。
大里の玉石垣
玉石垣とは、荒波に削られ角のとれた丸い石だけを使って積み上げられた石垣のことです。島内のあちらこちらで丸い石を積み上げた石垣が見られますが、このエリアは保存地区として景観が保たれているようです。
南国の風情を味わいながらちょこっと散歩もできます。時間が止まったような、静かな暮らしの町並みです。
植物公園/歴史資料館
大賀郷園地、この広い広い原っぱの奥に「八丈植物公園」があります。
本当なら、真後ろにドカンと八丈富士が見えるはずでしたが、雨交じりのお天気では裾野しか見えません。おかげで人影なく、緑の芝生を駆け巡る。
八丈植物園の中には八丈島ビジターセンターがあり、さらに園内はとてもデカい。22ヘクタールあり、約100種類の熱帯・亜熱帯植物がみられます。
散策路も整備されているので、全部を歩くと結構な距離になると思います。
雨が降ってきたので、ちょこっとだけ。
雨の日は「温室」もあります。色とりどりの花や南国の植物を見学。
そしてこの植物園内には「キョン」という聞きなれない動物が飼育されています。キョンは中国南東部や台湾に生息する小型のシカです。7頭のキョンが暮らしていました。穏やかでのんびりとした可愛らしい動物です。
以前には他にも動物がいたそうですが、現在はキョンだけ。ちょっと珍しいので、目をあわせてきました(^^)
そして、雨の日には「歴史民俗資料館」へ。特に、八丈島に流刑された人々の歴史はとても興味深いものでした。何千人という流人の中には博識のある者たちもあり、厳しい自然環境の中でも、産業や生活文化に大きな影響を与え、それが今の島の暮らしへと繋がっているのですね。
なんてったって青い海
島旅のだいご味に青い海は欠かせない。曇りや雨の多い3日間でしたが、突然晴れてくるのも島天気!それはそれは、優雅で心地よい時間でありました。
まとめとおまけ
島の西海岸は何度も走りました。千畳岩海岸には3度4度通い、大坂トンネルは行きや帰りに何度も通過し、3日も過ごすと島の道路がおおよそ把握できるようになり、帰るのが心寂しくもなりました。
最終日は朝日を眺めた後に雨になり、飛行機が飛ぶかどうか不安な状況でしたが、無事に40分のフライトで羽田に戻りました。羽田もしっかり雨でしたが☔、振り返れば、とてもイイ旅でありました。
そういえば、人混みはまるでない八丈島ではどこへ行っても観光客もまばらなのでありますが、同じ人に三度も出会いました。一度目は八丈富士のお鉢の中、二度目は唐滝の帰り道、三度目は植物園のキョンの前。名古屋からいらした男性の一人旅で、帰りの飛行機も一緒でした。羽田ではお互いに笑顔でご挨拶をして別れました。旅先のご縁はとても不思議で、忘れられない思い出になりました。
(おおよその訪ねた場所↓)
《おまけ①やっぱり船旅はいいな》
八丈島は飛行機ですぐ!でも、以前に伊豆諸島神津島に行った時にも思いましたが、船旅ってイイです。夜の東京湾を船出する時はとても美しくドキドキしますし、朝の目覚めとともに海から見る朝日も感動的。またいつか船に乗りたいな、と思います。
《おまけ②甘いものと唐いもの》
八丈島のグルメといえば「明日葉」「島寿司」「ジャージー牛乳」「島とうがらし」などなど。あと「くさや」や「シイタケ」も、ホテルの夕食朝食で頂きました。明日葉はてんぷら、島寿司はタレを絡めた鮮魚のお寿司でワサビじゃなくて辛子で食べます。
天ぷらやお寿司は持って帰れないけれど、空港で買ったもの。
・ジャージー牛乳のプリン(濃厚でトロトロ、めちゃくちゃ美味しいです)
・青唐辛子や島とうがらし(辛党なわが家には、ただ今欠かせない食事のお供となっています)
そんなこんなで、引退旅行第二弾が終わりました(^^;)。
現役時代には「旅」さえも仕事の一環のように義務感までをも感じていましたが、違う、違うよ!「旅」って自由なんだ、そしてたぶん「心の栄養」だよね、と深く実感し、たぶんきっと、ずっと忘れられない思い出となりました。
さっ、これからは本気で、目の前の人生を楽しんで歩いていけそうな気がするな、と思います。